「水馬」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「水馬」について
【表記】水馬
【読み方】あめんぼう/みずすまし
【ローマ字読み】amembo
子季語・関連季語・傍題・類語など
・あめんぼう(あめんぼう:amembo_)
・あめんぼ虫(あめんぼむし:amembomushi)
・川蜘蛛(かわぐも:kawagumo)
・水蜘蛛(みずぐも:mizugumo)
・あしたか(あしたか:ashitaka)
・海水馬(うみあめんぼ:umiamembo)
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季節による分類
・「あ」で始まる夏の季語
・「夏の動物」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
水馬を含む俳句例
十月の頭小さく水馬/原田喬
夕暮や蓮の葉に飛ぶ水馬/瀾水
水馬水に生れて花曇/高野素十
寂寞と雨を催す水馬/高田蝶衣
松風や道の溜りに水馬/森澄雄
滝壺や波遡る水馬/五十嵐播水
水馬未だ埃の大きさに/高澤良一
水馬螢の下に眠るなり/籾山柑子
水馬鳳凰堂をゆるがせる/飴山實
水玉の光の強き水馬/八木林之助
水路にも横丁ありて水馬/瀧春一
水馬枯葉かかえて遡る/正岡子規
秋風や吹き戻さるる水馬/淡路女
水馬思ひ思ひの輪を重ね/関弥生
水馬マリヤの姿乱れざる/森田峠
水馬反動分子然として/高澤良一
直情の典型疾駆の水馬/高澤良一
夕立や菱の上飛ぶ水馬/松藤夏山
水馬右往左往や波苛ち/香西照雄
水馬水の日輪蹴つ飛ばし/上野泰
俳句例:21句目~
水馬試し走りの朝の池/高澤良一
川上へ頭そろへて水馬/正岡子規
水馬や月冷かに三の簗/会津八一
水馬青天井をりん~と/川端茅舎
水馬大法輪を転じけり/川端茅舎
鶴ケ岡蓮池の水馬かな/尾崎迷堂
永く見て心静まりぬ水馬/野村喜舟
空元気出して晦日の水馬/高澤良一
水馬見て退屈をせぬ時間/松尾白汀
水馬とんで離れて爭はず/村上辰良
禅寺にかろき生得し水馬/宮津昭彦
瑠璃沼の塵にひとしき水馬/長田等
まい~に勝て遡れり水馬/村上鬼城
水馬はや朝焼の水を蹴り/内藤吐天
滝壺に生れ死ぬまで水馬/鷹羽狩行
水馬よく遡る一つかな/徳永山冬子
滝壷に生れ死すまで水馬/鷹羽狩行
水馬ダムの放流はじまるぞ/山口速
水馬一つ所にかたまらず/高澤良一
水馬二つ光輪ぶつけ合ひ/高澤良一
俳句例:41句目~
洗ひ場を戯れだまり水馬/荒井正隆
学生等就職さがす水すまし/飴山實
水馬頻りに飛ぶも恋の事/石井露月
水馬跳ねて池水後退さる/内藤吐天
方寸の水あれば足る水馬/高澤良一
大出水引きたる水に水馬/右城暮石
鼈居る水を踏まへて水馬/高浜虚子
雨粒のたち来し池や水馬/岩木躑躅
針金の脚ふんばつて水馬/土生重次
足枷の己が影曳く水馬/嶋田一葉詩
啓蟄の背ナ新しき水馬/青葉三角草
蒐まって軍団めける水馬/高澤良一
水馬流され水輪流されし/倉田紘文
水馬交み河骨知らん顔/松本たかし
波郷忌の泉に生きて水馬/向笠和子
極端なこと申すなら水馬/高澤良一
水馬走りしときの秋の風/高野素十
水馬湧く一盞の水に足り/古舘曹人
葉をもぎり流す面白水馬/西山泊雲
花屑を渡る時あり水馬/青葉三角草
俳句例:61句目~
水馬目高の目玉ふまへたり/巌谷小波
水馬絹より細き四肢持てる/保坂リエ
水馬総出で水を澄ましをり/高澤良一
背中乾きて遊べり秋の水馬/中島月笠
いつからの一匹なるや水馬/右城暮石
うち水にはねて幽かや水馬/飯田蛇笏
お岩木に向きて小池の水馬/高澤良一
水馬雲が映れば雲に乗り/家中波雲児
流さるるも狙ふは好機水馬/香西照雄
だしぬけの雨に臆しぬ水馬/高澤良一
なか~に水流れけり水馬/東洋城千句
流れ来しものゝ中より水馬/稲畑汀子
畦を塗る泥水に蝌蚪水馬/青葉三角草
秋風やからみかはりし水馬/永田耕衣
論点のずれてゆくなり水馬/柴田奈美
八方に敵あるごとく水すまし/北山河
ゆき違ふとき水馬高飛びぬ/田中丈子
夕風の塵のごとしや水すまし/有働享
川蜘蛛の影米米と米米と/佐々木六戈
一族にしては多過ぎ水馬/田中佳嵩枝
俳句例:81句目~
五月雨に一つ淋しや水馬/水原秋櫻子
水蜘蛛に釣場の茨花すぎぬ/西島麥南
光の輪いくつも生れて水馬/門居米子
力溜めをりしがついと水馬/嶋田一歩
牛の鼻の影の近づく水すまし/桂信子
十六夜の水にちらばり水馬/萩原麦草
訣れ来て天日昏き水すまし/小坂順子
あめんぼう勇み正面衝突す/高澤良一
太藺散る水平らかや水馬/島村元句集
定年のすこし手前の水馬/小島千架子
影たえず流されてゐる水馬/稲井優樹
心太いま渉りきし川のこと/岸本水馬
推力の一桁違ふあめんぼう/高澤良一
数ズ居るや閑一つづゝ水馬/尾崎迷堂
明けわたる水に水馬の鉄脚/高澤良一
朦々と底なき秋の水馬/阿部みどり女
松風にはらはらととぶ水馬/高浜虚子
柱ばかりの家や身弱き水馬/栗林千津
武庫の橋吹く沙かむり水馬/宮武寒々
水あるを知らぬが如し水馬/松瀬青々