「富士詣」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「富士詣」について
【表記】富士詣
【読み方】ふじもうで
【ローマ字読み】fujimode
子季語・関連季語・傍題・類語など
・富士山開(ふじやまびらき:fujiyamabiraki)
・富士道者(ふじどうじゃ:fujidoja)
・富士行者(ふじぎょうじゃ:fujigyoja)
・富士禅定(ふじぜんじょう:fujizenjo)
・山上詣(さんじょうもうで:sanjomode)
・山上(さんじょう:sanjo)
・富士講(ふじこう:fujiko)
・浅間講(せんげんこう:sengenko)
・篠小屋(しのごや:shinogoya)
・お頂上(おちょうじょう:ochojo)
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季節による分類
・「ふ」で始まる夏の季語
・「夏の行事」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
富士詣を含む俳句例
富士詣平包かけや今西行/言求
暗闇に故里訛富士詣/吉村あい子
鼻先の脚にあんじん富士詣/紅林震
富士詣了し米寿の山翁/寺田/コウ
鉞の一撃富士の山開き/長田白日夢
小さき幣杖に結びつ富士詣/菅裸馬
霧襖より富士講の鈴の音/山田弘子
田の草におはれおはれて富士詣/奚
雲の上行く二日目や富士詣/斎藤梅影
山開き遅るる富士の残り雪/手島知韶
小さな幣杖に結びつ富士行者/菅裸馬
仔兎の耳透く富士の山開き/飯田龍太
お頂上顔青ざめて皆笑へり/中島月笠
富士の嶺に鰹あがらで道者かな/松吟
百歩にて頂上の塚富士詣/村木海獣子
蟻地獄富士講の鈴ひびき来る/堤信彦
雨雲の夜雲となりつお富士講/岸田稚
枇杷の種弾みて富士の山開き/飯田龍太
兵なりし脚は老いずと富士詣/柏木久枝
富士詣古稀の自祝に果せしと/本川晴代
俳句例:21句目~
富士詣夜を徹してほつほつと/毛笠静風
火まつりや胴巻をした富士詣/萩原麦草
砂走りの夕日となりぬ富士詣/飯田蛇笏
下山して西湖の舟に富士道者/飯田蛇笏
富士行者白衣に雲の匂ひあり/正岡子規
篠小屋に石梨食うて擁かるゝ/萩原麦草
富士講の先達霧にまぎれざる/里川水章
富士道者泊る隣りも麦をつく/萩原麦草
滴りと化し人穴の富士行者/百合山羽公
火祭に富士講の灯も天駈くる/井沢正江
お頂上皆かほよせて語りけり/籾山柑子
風化してゆく篠小屋の月見草/萩原麦草
火祭や仁王立ちして富士行者/保坂知加子
富士講のリボンをつけし生命杖/中村春逸
富士行者杖の日の丸古りにけり/金田清光
滝のぼる蝶を見かけし富士道者/飯田蛇笏
よく晴れて下谷の富士の山開き/矢島渚男
長屋から二人立ちけり富士道者/野村喜舟
まざまざと影富士見るや富士詣/松永鬼子房
濛雨晴れて色濃き富士へ道者かな/前田普羅
俳句例:41句目~
熱き茶をのこして発てり富士道者/飯野燦雨
衣裳もやみな白妙の富士詣/信徳「狂遊集」
ねんごろに会釈しあうて富士講者/沖/鴎潮
数珠玉や里の下草富士詣/才麿「江戸弁慶」
富士講者火を連ねつつ夜を登る/能見八重子
富士講の御師の胡座やあをふくべ/若山すみ江
富士詣一度せしといふ事の安堵かな/高濱虚子
焼土にずりこむ杖や富士詣/赤木格堂「春夏秋冬」
麦藁蛇享け富士講の土砂降りに/小松初枝「日々」
時しらぬ布子羽織や富士詣/米翁「蘇明山荘句藻」
富士行者つゞく草屋の蚊屋の前/菅裸馬「同人句集」