「日焼」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「日焼」について
【表記】日焼
【読み方】ひやけ
【ローマ字読み】hiyake
子季語・関連季語・傍題・類語など
・日焼止め(ひやけどめ:hiyakedome)
・潮焼(しおやけ:shioyake)
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季節による分類
・「ひ」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
日焼を含む俳句例
千曲川磧日焼の杏干/森澄雄
日焼田や折折つらく鳴蛙/乙州
日焼憚らず国訛憚らず/品川鈴子
一日の休を釣に日焼けり/上村占
帆走の日焼の腕献血す/吉田節子
筵旗朽つるにまかせ女日焼/柏禎
断食の掟を守る日焼人/山本歩禅
妹の日焼からかひ兄不仲/緒方初美
日焼畑蟻の営みあら~と/松藤夏山
泡盛に島の恋うた日焼翁/大東晶子
日焼して男の如き伝道婦/景山筍吉
祭面取り潮焼の顔ばかり/橋本榮治
鎌倉は松の莟さに日焼人/島田青峰
一番茶すみし日焼の女衆/澤木欣一
一番茶終り日焼けの女衆/沢木欣一
襟足に残る日焼や舞踏会/櫻岡素子
日焼農夫聖水受くる頬緊めて/林翔
先生に日焼顔見す診察日/高澤良一
潮焼の男ばかりの踊かな/梶山さなゑ
橙の皮錆び日焼の老父病む/香西照雄
俳句例:21句目~
日焼顔揃ひて糶の始まりぬ/山本信子
実家にて油売りくる日焼妻/高澤良一
鼻尖の日焼けも旅の疲れかな/仁平勝
小麦色に日焼をしても中年か/樋笠文
浦の子の日焼甲乙つけ難く/山田弘子
日焼して海の訓練終へ戻る/山田弘子
含羞の農学校生日焼濃し/能村登四郎
日焼けして二等船室雑寝組/高澤良一
野茨や日焼けて細き子等が脛/原石鼎
赤道下かくは戦ひかく日焼け/及川貞
日焼して男は腕より寂ぶる/水上陽三
島住みのいまも童眸日焼顔/福永耕二
人生の皺をたゝめる日焼顔/小島隆保
泳ぎし髪洗ふ遠杉も日焼いろ/中拓夫
位牌たゞ日焼畳に置けるのみ/森田峠
日焼持す面魂の頬削ぎつつ/香西照雄
水白く湛へて吸はず日焼苔/野村泊月
日焼して娘盛りを渡舟守/田草川一求
俳諧の旅に日焼けし汝かな/高浜虚子
豌豆の中に日焼けし父の顔/廣瀬直人
俳句例:41句目~
激情を日焼の顔の皺に見し/星野立子
わが腕日焼けて離郷八年目/沼澤石次
日焼翁御塩焼く業伝へけり/衣川砂生
再会や丘の母校は日焼け顔/峠谷清広
日焼子の白尻父に少女めき/石川桂郎
天に代りて日焼児の尻をぶつ/楠節子
半世の苦節に日焼老牧師/保田白帆子
頬骨のことに日焼けし売り/木村里風子
いち早く独身貴族てふ日焼/堀之内和子
うす日焼して憂鬱のはだへかな/岸田稚
お茶運び来しは日焼の少年よ/山田弘子
驢馬曳いて日焼童女が河渡る/佐川広治
高台に住む代償の日焼とも/水田むつみ
今年竹すでに潮焼け安房の国/大屋達治
汐焼けの膚のしまりや夜の秋/太田鴻村
潮焼の少女に初潮来たりけり/角川春樹
潮焼の漁夫の太腕茅の輪結ふ/松本幹雄
どの顔も反原発の日焼けかな/武田涓滴
日焼けたる漁師ばかりや菖詣/松藤夏山
日焼け船長白髭殖やし上陸す/佐川広治
俳句例:61句目~
老人がゐて汐焼の猫じやらし/細川加賀
日焼してこの浦浜に育つ子よ/渡辺汀人
日焼してこの頃の吾子反抗期/山田弘子
日焼して受験地獄はもう遥か/山田弘子
テニス部に入り忽ち日焼娘に/山田弘子
デモ日焼田植日焼と集へる座/亀井糸游
日焼して悪童相となりたるよ/石塚友二
日焼して海の匂ひのする人等/野崎加栄
日焼して盤石の句碑在しけり/渡辺恭子
日焼して磐石の句碑在しけり/渡辺恭子
一日の浜辺の日焼もてあます/高木晴子
万博に日焼を加ふ農婦たち/猿橋統流子
日焼して笑ひ羅漢と向ひ合ふ/広瀬直人
中年の日焼といふを怖れをり/山田弘子
日焼せし若き歩調とすれ違ふ/辻口静夫
日焼せる子の脛ながし星祭/猿橋統流子
日焼せる彼と彼女と町に逢ふ/高浜虚子
日焼の手種蒔くごとく投票す/奈良文夫
日焼人に松吹く風の通ひけり/島田青峰
日焼兵の敬礼の肘ドンと我へ/香西照雄
俳句例:81句目~
日焼子の寝顔さながら観世音/太田昌子
日焼子の尻のつめたき祭かな/松本文子
日焼子の背や紛れなき反抗期/大石悦子
南北米移民日焼し手を握る/保田白帆子
日焼子の頭突を父の胸が享く/高野典子
向日葵を生くるや日焼腕もて/亀井糸游
日焼子は賢しき答へ返しけり/五十崎朗
日焼濃き老農仁王の朱剥げて/香西照雄
日焼田や二反はからき落し水/正岡子規
四五日の旅を語りて日焼して/小野白湖
早苗饗や髪撫でつけし日焼妻/高野素十
塩田夫日焼け極まり青ざめぬ/沢木欣一
杳き日の恋の日焼の肩の雀斑/鈴木栄子
梨棚に仕へ日焼をさづかりぬ/栗生純夫
氷川丸船上にゐて日焼せり/今井杏太郎
海の日焼子山の日焼子地蔵盆/飯田龍太
奥蝦夷の旅も七日よ日焼たり/高濱年尾
海士老いぬ酒焼の胸日焼の背/福永耕二
白凪に鼻の日焼の見られけり/臼田亞浪
美しく日焼けて父母に抗へり/庵/達雄