季語/水中花(すいちゅうか)を使った俳句

「水中花」を使用した俳句についてまとめてみました。

スポンサーリンク

季語「水中花」について

【表記】水中花

【読み方】すいちゅうか

【ローマ字読み】suichuka

子季語・関連季語・傍題・類語など

・酒中花(しゅちゅうか:shuchuka)

季節による分類

・「す」で始まる夏の季語

・「夏の生活」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

水中花を含む俳句例

青樓の九點下り水中花/筑紫磐井

子心は親心なり水中花/鈴木花蓑

附添の退屈もしぬ水中花/中村汀女

水中花けふ一日の水を足す/神蔵器

水中花妻の妹の子を膝に/鈴木花蓑

水中花女人の館時に倦む/中村明子

水中花開きし花の天地人/品川鈴子

病人に一人の時間水中花/稲畑汀子

生涯に看とり幾たび水中花/及川貞

灯せば水中花にも夜の影/西村和子

水中花何か失ひつつひらく/森重昭

水中花母へ余命の彩放つ/中山華泉

邯鄲の夢はじまりし水中花/橋田憲明

蛇を抜いて標本瓶に水中花/大屋達治

水中花蝕まれゐる一葉なし/鈴木貞雄

一灯に虚色ふかまる水中花/成田昭男

水中花忘じ難きも忘じけり/鈴木栄子

水中花萍よりもあはれなり/渡辺水巴

水中花悦びありて刻知らず/成田千空

口癖に安楽死言ふ水中花/平本くらら

俳句例:21句目~

古井戸に筋肉質の水中花/岸本マチ子

病気見舞の水中花包まする/石川桂郎

唇にカンパリソーダ水中花/仙田洋子

水中花開くは古き夢に似て/橋本炭水

囲はれの恋の絵島か水中花/渡辺恭子

地震つづく夜も泡懐く水中花/星水彦

水中花ひらく激しき死別感/辻田克巳

水中花ひらく胸襟ひらくごと/樋笠文

男手の針あやふしや水中花/石川桂郎

水中花置き病室の翳ふやす/織田玲子

水中花培ふごとく水を替ふ/石田波郷

父と子の医学距たる水中花/吉澤卯一

水中花銀の泡つけ夜深き燈/内藤吐天

水中花水との腐れ縁長し/大木あまり

水中花にも労りの水替ふる/厚海浮城

溜息のような泡生み水中花/名取節子

定年へ蚕食の日日水中花/文挟夫佐恵

水中花亭午の水に開きけり/後藤夜半

徒然のものの試しに水中花/高澤良一

水中花身一つ宥め宥め生く/中村苑子

俳句例:41句目~

水中花開く一瞬こそいのち/藤陵紫泡

旅きめてなごむ心や水中花/影島智子

水中花八方美人なり難し/神澤久美子

ゆっくりと涙が耳へ水中花/対馬康子

母の忌や姉より届く水中花/渡辺恭子

水中花昨日と同じ泡抱いて/樹生和子

あざむいて友と別れる水中花/坪内稔典

雨脚のはげしくなりし水中花/菅原鬨也

風知らず青空知らず水中花/木村日出子

はつ露や酒中花の葉の八枚ぞ/小池文子

ひとつ咲く酒中花はわが恋椿/石田波郷

たそがれは光陰にじむ水中花/森沢一行

酒中花に上方文化江戸文化/成瀬正とし

酒中花も百の椿もしぐれけり/福永耕二

よよと泣く人を羨しみ水中花/大石悦子

一日の水のおとろへ水中花/伊藤トキノ

人の死の一部始終を水中花/片山由美子

作りたる色のかなしき水中花/大橋敦子

入れ直しみても傾く水中花/朝鍋住江女

埃浮き飽きられにけり水中花/下村梅子

俳句例:61句目~

夏場所の通りとなりぬ水中花/松山足羽

夫いまも入院ぐらし水中花/石田あき子

子が二人居れば水中花も二つ/上野章子

帰港まづ水替へて夜の水中花/工藤義夫

想ひけり水芸太夫水中花/長谷川かな女

明治は存し大正は夢水中花/百合山羽公

月さすや沈みてありし水中花/前田普羅

水といふもの美しや水中花/深川正一郎

水中花すぐゐ眠をする子かな/鈴木花蓑

水中花たちまち雲の光りくる/桜井博道

水中花ねぢられしまま漂へる/仙田洋子

水中花ひらく水中あますなく/井沢正江

水中花夜は紅色の濃かりけり/棚山波朗

水中花夜空すみずみまで夜空/吉田輝二

水中花女無慚に老いにけり/文挟夫佐恵

水中花港まつりの灯に買へり/伊藤京子

水中花怒りてみても独りなり/白川京子

水中花投げ入れられて槽に波/進藤一考

水中花明日あるために美しく/岸風三樓

水中花水が疲れてゐたりけり/黛まどか

俳句例:81句目~

水中花水の余白をのこしけり/那須淳男

水中花水より指を手にもどす/古舘曹人

水中花病室の椅子足らざる日/朝倉和江

水中花置き鏡台のくもりなく/片岡我当

水中花老婆はいろの外にあり/長谷川双

水中花花に遅速のなかりけり/小島左京

水中花菊も牡丹も同じ色/長谷川かな女

水中花詠へりし子が離婚さる/下村槐太

水中花調度の多き主婦の部屋/杉原竹女

水替へて清しきものに水中花/今泉貞鳳

水没やうれしはづかし水中花/櫂未知子

泡一つ抱いてはなさぬ水中花/富安風生

話題なき客に倦みをり水中花/黒木野雨

透きとほるまで水そそぐ水中花/長田等

部屋貸して生計覗かる水中花/毛塚静枝

難聴の眼をさとくをり水中花/朝倉和江

水中花刻のうつろひなかりけり/山田弘子

開き切るまでのときめき水中花/横原律子

開くとき息ひとつ吐く水中花/矢嶋あきら

水中花愛冷ゆるときひらくべし/仙田洋子