「夏暖簾」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「夏暖簾」について
【表記】夏暖簾
【読み方】なつのれん
【ローマ字読み】natsunoren
子季語・関連季語・傍題・類語など
・麻暖簾(あさのれん:asanoren)
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季節による分類
・「な」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
夏暖簾を含む俳句例
夏暖簾垂れて静に紋所/高浜虚子
青蓼の厨も見えて麻暖簾/泉鏡花
菓子選む女の小腰夏暖簾/長澤寛一
兄弟の楽屋三様夏のれん/片岡我当
明易き人の出入や麻暖簾/前田普羅
その奥に妻の城ある夏暖簾/高橋悦男
カステラの老舗灯す夏暖簾/中尾杏子
別の間に遅き昼餉を夏暖簾/星野立子
頭にて突き上げ覗く夏暖簾/高浜虚子
夏暖簾河童三匹ひらひらす/福田蓼汀
大らかに孕み返しぬ夏暖簾/富安風生
父を知る祇園の女将夏暖簾/大橋敦子
夏のれん奥の暮しと店は別/市村不先
形見て鰻焼く待つ麻のれん/石川桂郎
大らかに孕み返しぬ夏のれん/富安風生
おしぼりの袋のぽんと夏暖簾/赤尾恵以
夏のれん父子の楽屋向ひ合ひ/高木石子
夏暖簾出て五六歩の機嫌なり/小泉旅風
夏暖簾風に字が割れ読み難し/福田蓼汀
包丁の音こころよき夏のれん/山田弘子
俳句例:21句目~
新しき厨にゆれる夏暖簾/和久津フミエ
生涯を妻たるを得ず夏暖簾/鈴木真砂女
見も知らぬ女が覗く夏のれん/小林凡沙
駒彫つて出羽路に古りし夏暖簾/大島鋸山
画かれし二匹の鮎や夏暖簾/北川/与志昭
夏のれんくぐりて淀の船宿に/梅田實三郎
夏のれん吹かれて太き柱見ゆ/合田丁字路
姑の部屋廊下のつなぐ夏のれん/稲畑汀子
座敷より厨を見せず夏のれん/大場白水郎
うち寄せる波染め抜きて夏暖簾/唐橋秀子
くる度にこの家親し麻のれん/近藤いぬゐ
古町をつらぬく川や麻のれん/八木林之介
吹き上げて廊下あらはや夏暖簾/高浜虚子
夏暖簾掛け替へしより風通ふ/村川きぬ江
手をのべて髪触るまじき夏暖簾/福田蓼汀
麻暖簾吹き上りつゝ用なさず/新田千鶴子
家内中芝居の留守の夏のれん/久保田万太郎
フロントと言ふより帳場夏のれん/川田長邦
舞終へて楽屋へかへる夏のれん/武原はん女
夏のれん掛けたる日より夏の茶屋/金子蜂郎
俳句例:41句目~
なにもかも透けて色濃き夏暖簾/宇多喜代子
降りさうな風にかはりし麻暖簾/丸山しげる
「めし」とのみ男ことばの夏暖簾/北野民夫
ふきぬくる風に悔なし夏のれん/久保田万太郎
わんこそば食べにどやどや夏のれん/荒井正隆
夏のれん釣りて幽けく明け暮るゝ/相生垣瓜人
麻暖簾に掛けかへて奥に簀戸見ゆる/島田青峰
夏のれん風そよりともせざりけり/久保田万太郎
をんな手にこゝまで仕上げ夏のれん/久保田万太郎