季語/円座(えんざ)を使った俳句

「円座」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「円座」について

【表記】円座

【読み方】えんざ

【ローマ字読み】enza

子季語・関連季語・傍題・類語など

季節による分類

・「え」で始まる夏の季語

・「夏の生活」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

円座を含む俳句例

黄檗の円座並びし甃/桑田青虎

正月や藁の円座に痘の神/森澄雄

苜蓿の円座に配る金平糖/品川鈴子

花鎮め祭の円座新らしき/高野素十

切株は神の円座よ霜の花/武智忠子

渡殿に敷きし円座や山桜/橋本鶏二

料亭となりし酒蔵菰円座/山田千代

雨乞の円座打敷く巌かな/橋本鶏二

若芝や旅の生徒の黒い円座/蛯原喜荘

花冷に瓢亭藁の円座出す/橋本美代子

切株は風の円座や蝶群るる/真鍋和瑞

円座置く上框のふきこまれ/近藤雅恵

木の本に円座取巻け小練年/向井去来

絵襖をあけて円座を取り出し/上野泰

夏祓古き円座のあるばかり/高木石子

奥飛騨の一工房の円座かな/池上秀子

蛇死すや己の円座解き放し/有馬朗人

飴色となりし円座に村の長/加藤洋子

一枚の円座に托す老後かな/竹末春野人

万福寺磚に敷かるる円座かな/平井富子

俳句例:21句目~

山の日の円座乾きし色並び/石川星水女

円座一つ打坐即刻の如くあり/鈴木鷹夫

円座虫捉へて闇へすてにけり/山口早苗

煤掃いて配れる四十八円座/大橋櫻坡子

涼風に円座あり他は無用なり/高浜虚子

回廊に円座干しあり神の留守/阿部夕礁

曲水の円座にどかと緋衣の僧/江口竹亭

藺草もて円座初めて作りし町/板谷芳浄

飾らない人の集まる円座かな/寺田り江

神官の説く史に正す円座かな/青木つね子

湖を見る円座一まい持ち出して/児玉輝代

灯取虫に円座を起ちし一人かな/野村泊月

稚児うまれ円座一途に古びけり/小林康治

花嫁の立ち上がりたる円座かな/茨木和生

落ついて来れば風来る円座かな/高木晴子

円座より見えて濃き山うすき山/児玉輝代

円座重ねあるだけ今年使はれず/高木晴子

読経洩る鞍馬のみ寺円座干す/村上みきお

囀りにもつとも近く円座組む/佐々木徳子

大雨の降り昏めたる円座かな/波多野爽波

俳句例:41句目~

寝る蛇の頭はかなし身の円座/中村草田男

鮮人等円座まどかに花に酌めり/森川暁水

山崩す音や円座の梅雨湿り/鍵和田ゆう子

ひぐらしや円坐に尻の痩せを知り/石川桂郎

なまはげに父の円座を踏まれけり/小原啄葉

待たされて雨を見てゐる円座かな/細川加賀

蓮見る円坐ならべし大寺かな/長谷川かな女

君来ねば円座さみしくしまひけり/村上鬼城

積まれたる円座一つをとりて敷く/森信坤者

人の来ぬ円座を据ゑて病みにけり/小林康治

蓮見る円坐ならべし大寺かな/長谷川かな女

ひぐらしや円坐に尻の痩せを知り/石川桂郎

ひんやりと円座の客となりにけり/谷口ゆり女

勝頼の寺の大きな円座かな/石田勝彦「雙杵」

虚子恋ひて円座に坐りつづけをり/成瀬正とし

他人の家に円座も古りてしまひけり/小林康治

義士の日のいつとはなしの円座かな/吉田鴻司

涼しさは椅子に円座をたまひしこと/後藤夜半

山かけて赤松つづく円座かな/武藤紀子「円座」

蕎麦をまづつきあへといふ円座かな/龍岡晋「龍岡晋句抄」