「寝茣蓙」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「寝茣蓙」について
【表記】寝茣蓙
【読み方】ねござ
【ローマ字読み】negoza
子季語・関連季語・傍題・類語など
・寝筵(ねむしろ:nemushiro)
–
季節による分類
・「ね」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
寝茣蓙を含む俳句例
土曜市草の匂ひの寝茣蓙買ふ/平野山石
棚経や父の寝茣蓙の端ほつれ/皆川白陀
真青な寝茣蓙の上の窶れかな/鈴木鷹夫
華麗なる寝茣蓙の上の齢かな/草間時彦
夏掛や寝茣蓙の上の一トつかみ/瀧井孝作
寝茣蓙して法師蝉けふ聲加ふ/石田あき子
寝茣蓙なる花にかこまれ妊る身/井桁敏子
寝茣蓙買ふ郷愁しきりなる妻よ/松尾緑富
眼科出て寝茣蓙を買へる入日中/宮武寒々
話まだ寝茣蓙につづく姉妹かな/井上和子
うちくぼみ浪間のごとき寝茣蓙かな/轡田進
ふたまはり寝茣蓙の夫の細りけり/足立和子
伽藍広し寝茣蓙を貸しに小孩来/成瀬桜桃子
奥能登の一夜の宿の寝茣蓙かな/大橋越央子
寝茣蓙してくすくす笑ひいつまでも/辻桃子
寝茣蓙干すことが日課に加はりぬ/磯村美鶴
寝茣蓙敷きかなしき音の中に寝る/小林康治
打敷きて寝茣蓙の花鳥いのち得し/鈴木穀雨
昼寝茣蓙机辺の反古をあふち敷く/亀井糸游
草の戸に買ひ戻りたる寝茣蓙かな/松藤夏山
俳句例:21句目~
鮮やかに寝茣蓙の夢の残りけり/砂田貴美子
よこたへて老の身かろき寝茣蓙かな/野間紅蓼
兄在りて吉備の寝茣蓙を送り来し/笠原ひろむ
寝茣蓙して蹠よごれてゐしを恥づ/林田紀音夫
ちゝろ鳴きそめし寝茣蓙も別れかな/金尾梅の門
図書に手のとどくところに寝茣蓙敷く/国弘賢治
寝茣蓙よりはがし起きたる背中にて/徳永山冬子
青田風暁の寝茣蓙の端冷えし/高田蝶衣「青垣山」
かさなりて寝茣蓙の厚きところかな/小原啄葉「遙遙」
病める身のぬくもりのある寝茣蓙巻く/堀田政弘/『父の日』