季語/甘酒(あまざけ)を使った俳句

「甘酒」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「甘酒」について

【表記】甘酒

【読み方】あまざけ

【ローマ字読み】amazake

子季語・関連季語・傍題・類語など

・一夜酒(ひとよざけ:hitoyozake)

・甘酒売(あまざけうり:amazakeuri)

・甘酒屋(あまざけや:amazakeya)

・醴(あまざけ:amazake_)

季節による分類

・「あ」で始まる夏の季語

・「夏の生活」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

甘酒を含む俳句例

御仏に昼供へけり一夜酒/蕪村

百姓のしぼる油や一夜酒/其角

甘酒の器が暖し初桜/遠藤はつ

甘酒や同じ夏なる心太/尾崎迷堂

一夜酒隣の子迄来たりけり/一茶

甘酒や東海道の松並木/角田竹冷

甘酒の老舗はくらし歳の市/秋櫻子

甘酒を吹いて涼しき二月堂/小島健

甘酒や一石橋の闇のもの/野村喜舟

甘酒や馬籠の在の律義者/野村喜舟

甘酒をむかし夕の淀屋橋/松瀬青々

甘酒がバケツに二拝初天神/辻桃子

不完全燃焼して甘酒呷る/櫂未知子

甘酒が熱くて神田祭かな/細川加賀

十一や甘酒のこる舌の熱/古舘曹人

甘酒を煮つゝ雷聞ゆなり/矢田挿雲

甘酒を賜はる狸供養かな/貝原靖湖

甘酒祭雪の卍と果てにけり/岸田稚

篁のあろじ坐りて甘酒屋/萩原麦草

甘酒や一樹の蔭の心太/松根東洋城

俳句例:21句目~

境内や杉風に売る一夜酒/吉田冬葉

秋晴れに甘酒啜る仏像観て/沢木欣一

けふよりの冷し甘酒百花園/黒田杏子

甘酒を吹くにさびしき息の音/辻桃子

学匠の庫裏に集ふや一夜酒/山田三子

国栖奏やげに白妙の一夜酒/大橋敦子

味噌つくる余り麹や一夜酒/正岡子規

甘酒は箸が一本あたゝかし/大橋敦子

甘酒祭いよいよ雪の木立かな/岸田稚

甘酒にいま存命の一本箸/伊丹三樹彦

夜のかなた甘酒売の声あはれ/原石鼎

忠孝が美譚でありし甘酒屋/筑紫磐井

甘酒に佗ふる野守の鏡かな/尾崎紅葉

篠竹につく鳥ありて甘酒屋/萩原麦草

甘酒を酌み並べたる茶碗哉/篠崎霞山

甘酒に生姜をきかす伊予訛/椎橋清翠

甘酒の生姜粗らしや二分の梅/飴山實

此辻の闇もをかしや一夜酒/柳川春葉

談山社詣で木蔭の一夜酒/小坂部佳代

土瓶さげて甘酒踊るかうぢのや/中勘助

俳句例:41句目~

手作りの甘酒を売る古格子/天野美代子

札下げて人影見えぬ甘酒屋/五十島典子

松風や甘酒釜を吹きさまさず/野村喜舟

泉岳寺前の甘酒うまかりし/荒巻/大愚

甘酒に塩のききたる爽気かな/角川照子

甘酒のとろりと熱し舌を焼く/曽我鈴子

春満月甘酒の酔かすかなり/石田あき子

甘酒や熱きを吹きて暫しあり/尾崎迷堂

甘酒屋打出の濱におろしけリ/松瀬青々

甘酒や美濃の山越なかなかに/小川軽舟

甘酒やだらりの帯の鯉どちと/渡辺恭子

雛飾る座の甘酒に掌をぬくめ/永井龍男

吾が為に届く余寒の一夜酒/小松崎爽青

飲みごろの熱さを味の一夜酒/鷹羽狩行

乳母の顔浮ぶ祭の甘酒飲む/伊丹三樹彦

しぐるゝや甘酒ひさぐ寺の門/寺田寅彦

咽喉もとを焼く甘酒の初不動/遠山弘子

かまくらに給ぶあつあつの甘酒/石川桂郎

雨冷ゆる日の甘酒をあつうせよ/高柳碧川

甘酒啜る一時代をば過去となし/原子公平

俳句例:61句目~

甘酒青白禽獣をかぞえはじめる/阿部完市

禅寺の甘酒のどにゆきて酸し/加藤知世子

甘酒のまはりより沸き雪の音/蓬田紀枝子

甘酒や木影添ひ来る足袋の白/島村元句集

熱き甘酒向ふへ吹けば向ふに母/磯貝碧蹄館

甘酒の釜のひかりや夜の土用/久保田万太郎

ひとりすする甘酒はかなしきもの/清水径子

せったいの甘酒ぬくし大師講/安部/トシ子

棒手振りの甘酒売りのむかしかな/奥山俊子

その男恋はあらじ甘酒を呑むこと七碗/尾崎紅葉

甘酒に六腑の在り処滅燈会///清浄光寺一ツ火/高澤良一