「白玉」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「白玉」について
【表記】白玉
【読み方】しらたま
【ローマ字読み】shiratama
子季語・関連季語・傍題・類語など
・氷白玉(こおりしらたま:korishiratama)
・白玉ぜんざい(しらたまぜんざい:shiratamazenzai)
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季節による分類
・「し」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
白玉を含む俳句例
白玉や母子誕生の月おなじ/安住敦
白玉や夜も雲湧く母の里/秋山素子
丹頂の鶴の白玉凍りけり/渡邊水巴
白玉の右へ左へ運ばるる/岩田由美
白玉を若葉におくや千団子/一/萍
梅の道白玉楼も遠からす/尾崎紅葉
白玉や飛弾春慶の批目盆/石原八束
口中に白玉風は戸口より/村越化石
白玉か紫玉か何ぞ葛櫻/相生垣瓜人
白玉や雨退りゆく湖の沖/関戸靖子
白玉や雨の中なる夏景色/岩田由美
白玉にまじる紅一家無事/伊藤京子
白玉や一日富士を目の前に/石嶌岳
白玉や鎹の子も十七に/鈴木しげを
白玉や連中といふ火打石/加藤耕子
白玉のあとは銀座の帽子店/山田弘子
白玉や今宵考くる妣も来る/木村ふく
白玉や伊吹は空に晴れゐしと/上村占
白玉や岩に滲みゆく雨の色/青木重行
白玉や扁たきものに杉の幹/小林貴子
俳句例:21句目~
白玉や手帖に記す母訪ふ日/宮田俊子
白玉や月山にある昼の月/成澤たけし
白玉や母の代からの砂糖壺/増田龍雨
白玉の一花を壺に光悦忌/稲垣きくの
白玉や水の匂ひの風あふれ/太田蓁樹
白玉や甍に風の吹き渡り/大木あまり
白玉の器の下が濡れにけり/綾部仁喜
愛憎の満ちて白玉だけ残る/対馬康子
白玉や神田をとほる神田川/小川軽舟
白玉や遠雲のこす夕あかり/中村信一
白玉や岐かれ岐かれて瀧の水/中田剛
白玉を掬へば果つる夏休み/川崎展宏
白玉を食めば失ふ若さかな/嶋田麻紀
白玉享ける石の童顔緑の星/成田千空
椿葉が反るしら玉の餅かな/松瀬青々
白玉やかたみに笑ふ物忘れ/手島靖一
白玉や飛沫いくたび草のなか/中田剛
白玉や京の子供の京言葉/河野美保子
白玉や人づきあひを又歎き/中村汀女
白玉に芋をまぜばや滝の月/榎本其角
俳句例:41句目~
子にそなふ白玉喰べ酒たうべ/巌谷小波
白玉やなつかしうして初対面/山田弘子
白玉や湖の真中を日照雨ゆく/外川飼虎
白玉や父母濡れて着きにけり/佐藤幸寿
白玉や産着のごとき白表紙/八牧美喜子
白玉や子のなき夫をひとり占め/岡本眸
夏萩や白玉好きの仏の日/長谷川かな女
白玉や虚子に似る字も偽手紙/筑紫磐井
妻去るに白玉艶を消しにけり/萩原麦草
姉妹白玉つくるほどになりぬ/渡辺水巴
白玉に小豆の色のにじみたる/井上茂子
白玉や遊女屋の昼閉ざしつつ/田中冬二
白玉や子煩悩にはなりきれず/西村和子
白玉や子等の喜ぶことをせむ/西村和子
日は衰ふるきはの暑さや白玉を/森澄雄
木蓮の白玉空へ工事すすむ/田川飛旅子
深川や白玉なんどのどすべる/野澤節子
白玉や雨の過ぎたる御油並木/織田敦子
白玉やあらぬ方より昼の鐘/神尾久美子
白玉やわれに始まる一家系/坂本童声子
俳句例:61句目~
白玉を姉はひたすら茄でる役/櫂未知子
白玉に忌明の膝を揃へけり/塩谷はつ枝
白玉を掬ひて翳もすくひけり/中嶋秀子
白玉のうれひに食せば浅漬も/久米正雄
白玉や愛す人にも嘘ついて/鈴木真砂女
白玉のしるこの中に紅一つ/中野/重一
白玉や人中なればそよそよす/永末恵子
白玉楼中の人を遠くす滝氷柱/福田蓼汀
簡単に人をくくりて白玉好き/高澤良一
白玉のよろこび通る喉の奥/水原秋櫻子
白玉の冷めたくまろく亡母想ふ/泉早苗
茂り中氷白玉たうべけり/久保田万太郎
白玉の歯のゆるみたる温め酒/清水基吉
蜘蛛の囲に夢の白玉明け易き/寺田寅彦
白玉の美形を探しゐたりけり/仙田洋子
白玉の雫を切って盛りにけり/日野草城
白玉はどこへもゆかぬ母と食ぶ/轡田進
白玉は何処へも行かぬ母と食ぶ/轡田進
食細き躬に白玉のよく冷えて/伊東宏晃
白玉や二度寝たのしむ旅疲れ/河野南畦
俳句例:81句目~
白玉や奥羽の旅はここに果て/高澤良一
白玉や吾が名勝気と占はる/八牧美喜子
白玉や母には母の修羅があり/角川春樹
白玉や毘沙門天の小賑はひ/鈴木しげを
白玉の向かうに海の見えてをり/辻美奈子
人の世のからくり白玉紅白に/鈴木真砂女
白玉も葉の粗相なる木槿かな/野澤羽紅女
冷瓏どうぞ冷白玉をめしあがれ/山中葛子
出されたる白玉に顔かいてある/星野立子
白玉や見えてさみしき人の裏/八牧美喜子
白玉のひやひやういてゐるらん気/松澤昭
白玉やつれあひといふよき言葉/千手和子
旅果ての白玉に紅滲みけり/野見山ひふみ
白玉にいろどる紅や祭の日/長谷川かな女
白玉にとけのこりたる砂糖かな/高浜虚子
白玉に子をあきらめし夫婦かな/筑紫磐井
白玉や旅恋ひをるを見すかされ/小林康治
白玉の紅一すぢが走りをり/杵屋栄美次郎
白玉や問はれていつも母のこと/田中菅子
白玉やうなづくばかり子の返事/目迫秩父