季語/夏の川(なつのかわ)を使った俳句

「夏の川」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「夏の川」について

【表記】夏の川

【読み方】なつのかわ

【ローマ字読み】natsunokawa

子季語・関連季語・傍題・類語など

・夏川(なつがわ:natsugawa)

・夏河原(なつがわら:natsugawara)

季節による分類

・「な」で始まる夏の季語

・「夏の地理」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

夏の川を含む俳句例

夏川や流るゝものゝ美しき/宋阿

夏川も語れり遠野物語/高澤良一

玉堂の昔の川の夏の音/高澤良一

死ぬまでの自由時間を夏の河/林桂

夏川や行きて憐む石の痩/尾崎紅葉

湖にはじまる流れ夏の川/武石花汀

夏川の堤に花をつちかへる/瀧春一

夏川や水の中なる立咄し/正岡子規

夏川や釣鐘つんで船の幕/会津八一

夏川の美しき村又訪はん/高野素十

孫六湯前夏川の展けたり/高澤良一

川下の郷へ雛増す夏の川/池上樵人

夏川辺柳を蘆の中にかな/尾崎迷堂

夏川や鳥居太しき登山口/小澤碧童

夏川や城を出て来て馬洗ふ/竹村秋竹

夏の河美貌の少年工が佇つ/草間時彦

夏川を越すうれしさよ手に草履/蕪村

河原草浸して広し夏の川/石島雉子郎

夏川に濯ぎて遠き子を思ふ/中村汀女

夏川に銭落しけりかち渉り/長倉白人

俳句例:21句目~

夏川のここらが熊の通り道/高澤良一

夏の川子の眼が流れ雲流れ/二村典子

夏川や砂さだめなき流れ筋/飯田蛇笏

夏川の昏れて青竹を牛負ひ来/森澄雄

処女のごと自由奔放夏の川/菖蒲あや

夏河を越すうれしさよ手に草履/蕪村

夏川を渉る女の齢見えて/文挟夫佐恵

夏川の流れ少なに底い石/四十物敦子

夏川の声ともならず夕迫る/飯田龍太

夏川の浅きに浸す紙そかな/子規句集

夏の河赤き鉄鎖のはし浸る/山口誓子

屍より死に近くあり夏の河/高澤晶子

夏川の瀬に廻り込む水迅し/高澤良一

夏川のこゑともならず夕迫る/飯田龍太

夏川のみどりはしりて林檎園/飯田龍太

夏川の上ミに一村下モに一村/高澤良一

夏川の仏かへりといふところ/高野素十

夏川の流材溜りし光りかな/楠目橙黄子

夏川や中流にしてかへり見る/正岡子規

夏川を越ゆ双脇に子を垂らし/飯田龍太

俳句例:41句目~

大き湖夏川となり獄をつつむ/松村蒼石

支那の人みな夏川に石投ぐる/岸本尚毅

旅疲れ夏川に眼を落としゐて/高澤良一

義民の碑夏川利根の鳴るなべに/瀧春一

もたれたる手摺の下の夏の川/大谷孝子

夏の川一と度狭まり広さ楽し/香西照雄

夏の川灯影ちゞらせ汪洋と/五十嵐播水

子に送られて朝越ゆる夏の川/廣瀬直人

渺茫と人の香を断つ夏の川/柴田白葉女

はすかひに渡舟ただよふ夏の河/志城柏

地下道は押されて歩く夏の河/対馬康子

あながちに夏川越しぬ酒の酔/尾崎迷堂

対岸にガスタンク据ゑ夏の河/石川文子

埋めてゆく深き夏川声たてぬ/寺田京子

夏川に手を突っ込んで上高地/高澤良一

夏川の雄々しさにおし黙りゐつ/細見綾子

夏川やつたいありきつ里の背戸/立花北枝

訃のしらせうけて夜目利く夏の川/渋谷道

夏川や死後とは知らず横たわる/和田悟朗

夏の川跳んで明日もまた会へる/伊藤昌子

俳句例:61句目~

夏川をかちわたり見る磨崖仏/五十嵐播水

夏川のあなたに友を訪ふ日かな/子規句集

夏川に架かれる橋に木戸ありぬ/高浜虚子

夏川やどこかで笛を吹いて居る/幸田露伴

光りつゝアイヌにとどく夏川ぞ/細谷源二

倶に居れば夏川は粗朶沈めたり/下村槐太

離郷せし身のあとさきに夏の川/対馬康子

起きいでしころは夏川の音ねむる/瀧春一

踏みわたる夏川歩々に澄み流れ/岡本松浜

みずいろの舌もつ夏川市電スト/寺田京子

夏河の涸れしひとつも海に入る/谷野予志

夏川へ茂吉となり切るまで坐る/奈良文夫

夏河を電車はためき越ゆるなり/石田波郷

夏の川さんだらぼつち流れゆき/猪俣千代子

夏川のほとりの土となるも近し/廣江八重櫻

負傷者のしずかなる眼に夏の河/鈴木六林男

夏の川小橋たわゝに水を打つ/正岡子規/寒川鼠骨編

夏川や砂みがきする樽二つ/蘇子句集/木下蘇子、吉田冬葉/松本翠影編