季語/寄居虫(やどかり)を使った俳句

「寄居虫」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「寄居虫」について

【表記】寄居虫

【読み方】やどかり

【ローマ字読み】yadokari

子季語・関連季語・傍題・類語など

・ごうな(ごうな:gona)

・本やどかり(ほんやどかり:honyadokari)

・ごうな売(ごうなうり:gonauri)

・やどかり売(やどかりうり:yadokariuri)

季節による分類

・「や」で始まる春の季語

・「春の動物」を表す季語

・「三春」に分類される季語

月ごとの分類

2月の季語

3月の季語

4月の季語

寄居虫を含む俳句例

宿大きすぎて寄居虫涙ぐみ/林翔

朝市や寄居虫登る棒の先/金子剛

やどかりを膝に潮干の石仏/堤京子

寄居虫や岩陰に黄の忘れ傘/杉本寛

寄居虫が抱へて測る次の貝/須川洋子

忘れ潮くらし寄居虫沈むなり/斎藤道子

寄居虫は春の大きさ覗きけり/野村喜舟

寄居虫売漁港に軋む音ばかり/窪田英治

人影にあらあら動くごうな哉/高澤良一

知らん顔すれば寄居虫歩き出す/中拓夫

夕凪や寄居虫穴を出てあそぶ/甲賀山村

一つ居て天涯孤独寄居虫かな/尾崎迷堂

寄居虫ごと潮ぶちまけて舟洗/広瀬釣仙

いづれさびし風船売と寄居虫売/山尾玉藻

観音へ行かず寄居虫に遊ぶかな/野村喜舟

難儀して寄居虫ひねもす宿探す/高澤良一

人波に沈みてゐたり寄居虫売/木田満喜子

寄居虫のやどに引つ込む爪揃ふ/杉浦恵子

寄居虫の性かなしめば動きけり/福井夏炉

寄居虫の止まるや子も考へる/加藤知世子

俳句例:21句目~

寄居虫の足のかろさや忘れ潮/粟津松彩子

寄居虫の足のみ見えて走りだす/米澤治子

寄居虫の逃げゆく果にこぼれたり/中拓夫

寄居虫や相似て知らぬ磯ばかり/山口草堂

寄居虫行くてへかひなを伸ばし/小澤碧童

日盛に伸び~と寄居虫歩みけり/中島月笠

春に逢ふ寄居虫の宿や梅さくら/松岡青蘿

水神祭蟹も寄居虫も罷り出て/町田しげき

飛行船沖にひかれる寄居虫かな/野中亮介

石を這ふ音の侘しき寄居虫かな/高田蝶衣

やどかりを拾ひてさびし先を歩す/赤尾兜子

寄居虫の口惜しき足見せにけり/河東碧梧桐

寄居虫にスプーンばかり並ぶ昼餉/横山白虹

寄居虫の宿を変へんと流されし/今井恵美子

寄居虫のさつと腹から宿替ふる/神田登美子

海見んと来しが寄居虫逃ぐるばかり/杉本寛

手を逸れて寄居虫なりけり忘れ潮/手島靖一

海女行けば寄居虫ずり落つ忘れ潮/山口誓子

耕耘機寄居虫ばしりをして帰る/千代田葛彦

草深かに寄居虫棲めり御嶽道/伊差川摩生子

俳句例:41句目~

捨て茣蓙を寄居虫越えてゆきにけり/小澤實

寄居虫の笊を出でんとしては落ち/岡安迷子

やどかりの中をやどかり走り抜け/波多野爽波

燕雄死すやどかり売のきてゐる日/成瀬桜桃子

古貝を選み栖みたる寄居虫かな/長谷川零餘子

磯ものに入りまじりたる寄居虫かな/松瀬青々