「猫の恋」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「猫の恋」について
【表記】猫の恋
【読み方】ねこのこい
【ローマ字読み】nekonokoi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・猫の妻(ねこのつま:nekonotsuma)
・猫の夫(ねこのつま:nekonotsuma_)
・恋猫(こいねこ:koineko)
・浮かれ猫(うかれねこ:ukareneko)
・戯れ猫(たわれねこ:tawareneko)
・通う猫(かようねこ:kayoneko)
・妹がり行く猫(いもがりゆくねこ:imogariyukuneko)
・猫の思い(ねこのおもい:nekonomoi)
・猫の契(ねこのちぎり:nekonochigiri)
・猫さかる(ねこさかる:nekosakaru)
・春の猫(はるのねこ:harunoneko)
・孕み猫(はらみねこ:haramineko)
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季節による分類
・「ね」で始まる春の季語
・「春の動物」を表す季語
・「初春」に分類される季語
月ごとの分類
猫の恋を含む俳句例
猫の恋やむ時閨の朧月/芭蕉
寝て起て大欠して猫の恋/一茶
猫の恋初手から鳴て哀也/野坡
猫の恋やむとき闇の朧月/芭蕉
順礼の宿とる軒や猫の恋/蕪村
両方に髭がある也猫の恋/来山
猫の恋打切棒に別れけり/一茶
猫の恋暗夜行路を跳び交し/狩行
猫の恋風のおこらぬ斗なり/風国
目薬は夜も空色猫の恋/宮脇白夜
鎌倉も別のことなし猫の恋/南隣
鏡台に男が座り猫の恋/富安風生
青芒より現れぬ猫の恋/平井照敏
炭斗にとぼしき炭や猫の恋/原石鼎
鼻先に飯粒つけて猫の恋/小林一茶
うらやまし思ひ切る時猫の恋/越人
猫の恋やむとき閨の朧月/松尾芭蕉
山國の暗すさまじや猫の恋/原石鼎
火の山へ荒星帰る猫の恋/橋本榮治
梅二三輪簪のごとし猫の恋/原石鼎
俳句例:21句目~
円覚寺料峭として猫の恋/青木重行
爪かくす日頃わすれて猫の恋/旦爾
天窓の低き家並や猫の恋/松本美簾
温室に水したたるや猫の恋/日原傳
淡雪や通ひ路細き猫の恋/寺田寅彦
大比叡の表月夜や猫の恋/鈴木花蓑
猫の恋老梅幹を横ふる/楠目橙黄子
草をはむ胸安からじ猫の恋/炭太祇
親鸞の九十の春や猫の恋/野村喜舟
退勤の夕闇明り猫の恋/深見けん二
酒蔵の表も裏も猫の恋/三木多美子
夕月の楔打つたり猫の恋/行方克巳
売家のいせが軒ばや猫の恋/高井几董
猫の恋老松町も更けにけり/日野草城
檜葉垣に満月のれる猫の恋/遠藤梧逸
椎茸がうまるゝ夜の猫の恋/萩原麦草
猫の恋犬が通つてゆきにけり/塙告冬
おそろしや石垣崩す猫の恋/正岡子規
おもひ寐の耳に動くや猫の恋/炭太祇
猫の恋片割月のあはれなり/角田竹冷
俳句例:41句目~
昏睡の母にひびきて猫の恋/堀口星眠
武蔵より相模へ通ふ猫の恋/有馬朗人
猫の恋月に嘯くとはいへど/川端茅舎
対岸の日向を歩く猫の恋/大木あまり
梅寿忌や不謹慎なる猫の恋/岸風三樓
尾を水平に猫の恋了はりけり/小澤實
山国の暗すさまじきや猫の恋/原石鼎
猫の恋昴は天にのぼりつめ/山口誓子
角はゆる迄啼つらん猫の恋/松岡青蘿
そそくさと水飲んで去る猫の恋/原裕
筑波嶺の歌垣遥かや猫の恋/巌谷小波
老猫の恋のまとゐに居りにけり/虚子
色町や真昼しづかに猫の恋/永井荷風
猫の恋初手から鳴きて哀れなり/野坡
微震ある日本列島猫の恋/大木あまり
諌めつゝ繋ぎ居にけり猫の恋/炭太祇
転び落ちし音してやみぬ猫の恋/几董
俳諧の昼のふかみに猫の恋/下村槐太
恋猫の恋の果てなる勾玉寝/大石悦子
鉄槌を跳びそこねたる猫の恋/須藤徹
俳句例:61句目~
恋猫の恋若ければ空をとぶ/荻野杏子
枕頭の歳時記更へむ猫の恋/相馬遷子
声たてぬ時がわかれぞ猫の恋/千代尼
声真似る小者おかしや猫の恋/炭太祇
鳴き通る雪間雪の上猫の恋/皆吉爽雨
くぐり行く土椽の音や猫の恋/会津八一
ふみ分けて雪にまよふや猫の恋/千代尼
白猫の恋のはじめの闇夜かな/藤本始子
人の恋見下ろしてゐる猫の恋/吉年虹二
凍え死ぬ人さへあるに猫の恋/正岡子規
紙たたむ音にあおられ猫の恋/二村典子
化粧する果やなき出す猫の恋/中村史邦
嘴に菜の花くはえ海猫の恋/福田甲子雄
夜空染め遠火事消ゆる猫の恋/宮武寒々
大仏にもつてのほかの猫の恋/角川春樹
宝石の瞳をもちにけり猫の恋/廣田松枝
貝の飯食へぬうき身や猫の恋/尾崎紅葉
身贔屓に加担しゐるや猫の恋/松山足羽
己が傷を舐めて終りぬ猫の恋/清水基吉
文章に閊へてをれば猫の恋/猪俣千代子
俳句例:81句目~
星はみな西へ下りゆく猫の恋/山口誓子
城山のまた颪しをり猫の恋/大峯あきら
欄間より忍び出でけり猫の恋/羅蘇山人
父の墓あたりがさかん猫の恋/櫂未知子
雨足の激しくなりぬ猫の恋/田原幹一郎
猫の妻昨日の恋の名残り見せ/綿利信子
猫の恋五百羅漢をはばからず/山本歩禅
猫の恋六日とし越ふけにけり/加舎白雄
好き嫌ひありてかなしき猫の恋/帖地津木
猫の恋風呂まつくろに沸きにけり/原田喬
坐禅僧またたきひとつ猫の恋/加藤知世子
眠り薬利く夜利かぬ夜猫の恋/松本たかし
日の入やはや屋根に出る猫の恋/正岡子規
日はけふの月はきのふの猫の恋/藤村克明
啼きやめて糞したりけり猫の恋/藤野古白
猫の恋シヤワー激しく使ひけり/中西夕紀
対峙してゐし猫の恋追はれたる/稲畑汀子
学問の灯をゆるがして猫の恋/五十嵐播水
猫の恋円きはものゝうとましき/尾崎紅葉
三つ並ぶ真中が鳴けり猫の恋/小野恵美子