「啄木忌」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「啄木忌」について
【表記】啄木忌
【読み方】たくぼくき
【ローマ字読み】takubokuki
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「た」で始まる春の季語
・「春の行事」を表す季語
・「晩春」に分類される季語
月ごとの分類
啄木忌を含む俳句例
雄鶏よ雌鶏よ今日啄木忌/原田喬
少年に窓の若葉や啄木忌/角川春樹
脚病めば故郷遠し啄木忌/遠藤梧逸
宅急便の花束匂ふ啄木忌/成田郁子
北上のとはの流れや啄木忌/田村了咲
戦経て傷みし身なり啄木忌/村山古郷
曲り屋は花に余白の啄木忌/平野無石
渋民に石川理髪店啄木忌/八牧美喜子
畦焼く火闇に階なし啄木忌/小原啄葉
皆痩せてかの子この子の啄木忌/林翔
啄木忌北指して雲流れをり/若色如月
花買つて米買つて税啄木忌/須川洋子
つきまとふ貧と文学啄木忌/小室善弘
靴裏に都会は固し啄木忌/秋元不死男
啄木忌悲しきまでに遠き雲/斎藤空華
啄木忌手種の砂のうす湿り/斉藤勇幸
啄木忌春田へ灯す君らの寮/古沢太穂
鶏卵を市電で割りぬ啄木忌/攝津幸彦
草藉きて三十路の吾や啄木忌/有働亨
国禁の書は今在らず啄木忌/林かつみ
俳句例:21句目~
壁の服みな腕垂れて啄木忌/齋藤朗笛
岬染め落暉ひろがる啄木忌/前山松花
便所より青空見えて啄木忌/寺山修司
兇器めく鉛筆の芯啄木忌/猿橋統流子
写真館の家族写真や啄木忌/内田美紗
あくびしていでし泪や啄木忌/木下夕爾
あふらるる辛夷の花や啄木忌/長谷川櫂
大皿にふるさとを盛り啄木忌/川本憲司
物書くは巣籠るに似て啄木忌/鷹羽狩行
啄木忌草に坐す野をもとめ来て/及川貞
こごみ和へ妻と突ける啄木忌/森田公司
その辺の草を歩いて啄木忌/大峯あきら
粕汁を噴きこぼしけり啄木忌/佐野農人
肚からの貧乏性や啄木忌/久保田万太郎
肩あげてなにに紛れむ啄木忌/小林康治
ひとの恋知れども触れず啄木忌/安住敦
背負ひたき母今は亡し啄木忌/市川愁子
啄木忌山河はわれを欺かず/遠藤若狭男
わが俳句玩具にあらず啄木忌/西本一都
バンドにて縛す教科書啄木忌/辻田克巳
俳句例:41句目~
仇名だけ記憶の師なり啄木忌/阿片瓢郎
何で癒やす疲れ啄木忌の曇天/佐藤鬼房
啄木忌いくたび職をかへてもや/安住敦
啄木忌さみしくなりて逆立す/吉田未灰
啄木忌母の知る歌妻の知る歌/田村了咲
鴨よりも家鴨が親し啄木忌/石田あき子
啄木忌利根の柳もあをみけり/川越蒼生
啄木忌句を三行にしたためて/田村了咲
啄木忌市井に棲みて尿濁る/伊丹三樹彦
啄木忌林檎芯まで食ひをはる/宮武寒々
提げてまた流離の傘や啄木忌/小林康治
城の堀いまもにほへり啄木忌/山口青邨
沖かけて北斗ゆたかに啄木忌/稲島帚木
浪人の子をひとりもち啄木忌/田村了咲
ある年の花遅かりき啄木忌/久保田万太郎
たなぞこを焼く握り飯啄木忌/赤松ケイ子
ひところのわれをかへりみ啄木忌/桂信子
みちのくの闇に野火して啄木忌/山口青邨
啄木忌ひとりの酒はあたためず/木村凍邨
新品の下駄を履きたる啄木忌/國分水府郎
俳句例:61句目~
啄木忌野に出で雲を追うてゐる/河野南畦
小石川、区の名は失せぬ啄木忌/吉屋信子
啄木忌為すこと多しおそからず/松村多美
啄木忌過去にはふれず働かす/八牧美喜子
見詰めれば指にペンだこ啄木忌/吉屋信子
紙に掬ふ消しゴムの屑啄木忌/奥谷亞津子
靴ずれの小指の胼胝や啄木忌/松沢佐多子
地に近きものより芽ぐむ啄木忌/宮坂静生
本棚のあたりより暮れ啄木忌/鈴木真砂女
いつ消えしわが手のたばこ啄木忌/木下夕爾
なりはひの下駄の片減り啄木忌/鈴木真砂女
ふるさとを持つ恥づかしさ啄木忌/櫂未知子
無駄遣ひ子にいましめる啄木忌/田中こずゑ
啄木忌ペン胼胝は業に異ならず/徳永山冬子
鮨台更けて一人が睡る啄木忌/長谷川かな女
野に咲くはなづなはこべら啄木忌/田村了咲
あ/あ/あ/とレコードとまる啄木忌/高柳重信
著ふるせるレンコ-トぞも啄木忌/久保田万太郎