「開帳」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「開帳」について
【表記】開帳
【読み方】かいちょう
【ローマ字読み】kaicho
子季語・関連季語・傍題・類語など
・出開帳(でかいちょう:dekaicho)
・居開帳(いかいちょう:ikaicho)
・啓龕(けいがん:keigan)
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季節による分類
・「か」で始まる春の季語
・「春の行事」を表す季語
・「三春」に分類される季語
月ごとの分類
開帳を含む俳句例
開帳や唇赤き観世音/簗/夢郷
えり壷に仰山の出開帳/関戸靖子
開帳や外陣内陣内々陣/西本一都
開帳や一寸の秘仏大伽藍/住玉蝉
天の戸の開帳なれや雪佛/重/供
開帳寺門前臨時郵便局/高澤良一
出開帳頭の間のご本尊/高澤良一
遥々と率土の浜や出開帳/寒香梅琴
開帳といふも閻王塵被り/園田弥生
樫鳥や開龕に置く小賽銭/北野民夫
一山を洗ひし雨やお開帳/木内彰志
開帳の幟穂麦の中に立つ/島田芳恵
開帳や古釘に結ふ善の綱/岡田游子
開帳や蒙古の廟の歓喜天/三溝沙美
出開帳大漁旗の舟集ふ/田上さき子
開帳や尿桶並ぶ木瓜の中/松瀬青々
開帳や港と共に古りし寺/洞外道子
開帳や肩に落ちたる鳶の糞/森澄雄
半蔀を内側へ揚げお開帳/北野民夫
開帳や草の蛇うつ堂の前/松瀬青々
俳句例:21句目~
電気屋の店に開帳観仏会/金丸トミ
行列の大寺を発つ出開帳/本橋美和
開帳の仏真つ黒みそさざい/菅原鬨也
開帳待つ最前列の綱つかみ/坂田栄三
浦人に一と日限りの出開帳/小林寂無
衆目にいま開帳の春日厨子/江口竹亭
開帳に逢ふや雀も親子づれ/小林一茶
出開帳力む仁王の脇抜けて/高澤良一
開帳や大きな頬の観世音/阿波野青畝
開帳や雲居の鳥の声こぼれ/木村蕪城
銭湯へ沙弥の連れ立つ出開帳/静良夜
厨子の箔夕日に古び出開帳/近藤一鴻
開帳の破れ鐘つくや深山寺/飯田蛇笏
宝蔵の扉の重たしよ開帳寺/伊藤白潮
開帳の仏は焦げて在しけり/村井渓雪
開帳の夢殿夢もかい間見ぬ/井沢正江
百里来し輿を拝めり出開帳/田上石情
顔に来し雨の一粒出開帳/大峯あきら
ひれ伏して歓喜の僧や開帳会/河野静雲
伎芸天開帳の簷を揚羽越ゆ/中村風信子
俳句例:41句目~
出開帳遅日の顔をならべをり/岡本松浜
村の子の面輪似通ふ開帳寺/大野世思子
波音の消えて山みち出開帳/大峯あきら
炎上をまぬがれたまひ出開帳/清原枴童
無住寺に檀徒の煮炊き出開帳/安倍睦代
稚児加持も大開帳の一行事/爲成菖蒲園
開帳の膝つめ合はす菜種梅雨/斉藤富雄
開帳の過ぎて間もなし今年竹/中村史邦
開帳へ傘のふれ合ふ列に蹤く/橋本青稲
開帳やけふの命のありがたく/清原枴童
開帳や夕月ひくくひとあるく/田中裕明
襷せる世話役はしり出開帳/八木林之介
開帳の岩屋の秘仏ほのぼのと/高山松男
開帳や背の子の持つ智恵の餅/早川恵宜
開帳や護摩の火昼も夜も盛ん/本間白城
開帳仏開扉待ちゐしごと微笑/木田素子
開帳の時は今なり南無阿弥陀/高浜虚子
出開帳憩ひおはすと人出かな/草野駝王
蝶となりし母も見に来ぬ出開帳/高橋睦郎
開帳や秘仏の肩のうすぼこり/有馬くに女
俳句例:61句目~
開帳の庭にほしがるさくらかな/横井也有
地の窪は花びら溜りお開帳/鍵和田ゆう子
出開帳衆僧綺羅をかざりけり/山口一舞子
小指ほどのみ仏に逢ひ出開帳/大城まさ子
開帳の千手の四五手ほのと見ゆ/上井正司
はるばると山おり来まし出開帳/高田蝶衣
人混みよりわが身抜き取る出開帳/高澤良一
開帳や大き過ぎたる稚児ひとり/広田恵美子
開帳や天意のふらす花すこし/鍵和田ゆう子
開帳を晴れがましとて御ン目伏せ/宮下翠舟
廻す/打つ/撫でるやお開帳にきて/田口彌生
ちよんちよんとおじゆず頂戴出開帳/八木林之介
開帳に逢ふや雀もおや子連/一茶/文政元年戊寅
花ちるやとある木陰も開帳仏/一茶/文政元年戊寅