季語/雁風呂(がんぶろ)を使った俳句

「雁風呂」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「雁風呂」について

【表記】雁風呂

【読み方】がんぶろ

【ローマ字読み】gamburo

子季語・関連季語・傍題・類語など

・雁供養(かりくよう:karikuyo)

季節による分類

・「か」で始まる春の季語

・「春の行事」を表す季語

・「仲春」に分類される季語

月ごとの分類

3月の季語

雁風呂を含む俳句例

雁風呂の昔々の村通る/村上三良

北国の貧しき浦の雁供養/小池和子

雁風呂や湖一枚の寂とあり/水庭進

なかなかに東京遠し雁供養/齋藤玄

雁風呂や煙にむせぶ鳥の影/中勘助

追焚きの細き木の枝雁供養/天谷敦

砂山にほかと月あり雁供養/永田青嵐

沖かけて風の影ゆく雁供養/山本素彦

木片に藻の絡みをり雁供養/棚山波朗

雁供養遠く悼める千鳥かな/富安風生

雁風呂の煙とどかぬ北の天/金子野生

雁風呂や笠に衣ぬぐ旅の僧/飯田蛇笏

雁供養山の中途に目を置いて/岸田稚

雁風呂に松の薪を運びけり/松瀬青々

雁風呂を想ひたたづむ旅の浜/平瀬元

雁風呂や袖もてぬぐふ火吹竹/塩崎緑

雁風呂にこさ吹く暮や浦の風/菅原師竹

今日も亦よいの雁風呂焚つけし/原月舟

雁風呂や蜑がつたへて古き鉦/庄司瓦全

ささくれの流木を焚き雁供養/赤司一声

俳句例:21句目~

太白の沖にとぼりて雁供養/石田ふじ乃

長々と雁風呂のこと話しけり/岡田史乃

湾沿ひに蜑家つらなり雁供養/加藤憲曠

雁風呂の薪はきえてしまひけり/中勘助

雁供養焚火にぢかに薬罐乗せ/蒔田光耕

雁風呂に母の乳房の貧しさよ/鷹匠子朗

雁風呂に海のつづきの波がたつ/澁谷道

雁風呂に雨や降る山近く見ゆ/佐藤紅緑

雁風呂の焚口に来る男波かな/籾山柑子

雁風呂や月を泛べて汐到る/田中田士英

海士が唄雁風呂に居て悲しくす/村田渓水

雁風呂にぬくもりゐるや念仏者/松瀬青々

雁風呂にカンテラ灯す廂かな/吉野左衛門

雁風呂に客も哀れと和しにけり/高田蝶衣

雁風呂を片手拝みにもらひけり/木村敏子

かゝり船の舳広さや雁供養/長谷川零餘子

みちのくに善知鳥姓あり雁供養/木村杢来

めそめそと雨も泣く夜や雁供養/吉田冬葉

乾びたる藻を焚き付けに雁供養/棚山波朗

雁風呂の村のほつほつ灯りたる/村上三良

俳句例:41句目~

雁風呂のもえぬ木をふく涙かな/高田蝶衣

雁風呂のしばしば高き跨ぎ口/川出まり子

海女老いて乳房かくさず雁供養/井沢正江

湯の中のわが身の熱や雁供養/佐々木六戈

雁風呂のことに紙幅を費やして/黒田杏子

雁風呂に島人呼ぶや磯馴声/菅原師竹句集

雁供養星見えぬ夜は海荒れて/成瀬櫻桃子

雁供養砂の埋れ木焚き添へぬ/新谷ひろし

雁供養義足をはづし湯に浸る/上田ただし

遠く燃ゆ岬の焚火も雁供養/有働/清一郎

雁風呂や海荒るゝ日は焚かぬなり/高浜虚子

雁風呂やひねもすさわぐ波の白/新谷ひろし

雁風呂や日の暮れ方を浪さわぐ/豊長みのる

雁風呂に潮鳴り遠き日となりぬ/赤沼山舟生

雁風呂を焚きたる燠のくすぶれる/松本澄江

雁供養島はかすかににじむなり/大江まり江

お螻蛄う一升にじょなめき雁風呂う/加藤郁乎

海荒れてこの浜に雁風呂ありそうな/永野孫柳

海鳴りてすぐ雁風呂の冷めにけり/八牧美喜子

雁風呂や雨こぼれ来て潮平ら/吉武月二郎句集

俳句例:61句目~

雁風呂を焚くころといふ誘ひかな/伊藤伊那男