「春の夢」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「春の夢」について
【表記】春の夢
【読み方】はるのゆめ
【ローマ字読み】harunoyume
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「は」で始まる春の季語
・「春の生活」を表す季語
・「三春」に分類される季語
月ごとの分類
春の夢を含む俳句例
春の夢濃紫を残しけり/高橋睦郎
夢違観音春の夢消さな/鈴木昭子
春の夢気の違はぬが恨めしい/来山
立春の夢に刃物の林立す/柿本多映
春の夢水平線の近くまで/足立礼子
春の夢墓のほとりを水流れ/森重昭
春の夢草むらにまだ狙撃兵/皆吉司
春の夢他人が始終側にゐて/赤尾恵以
春の夢心驚けば覚めやすし/富安風生
切腹は白き色なり春の夢/長谷川秋子
北前船泊つる九谷を春の夢/高橋睦郎
春の夢聊斎志異に似て妖し/鈴木青園
業平と旅せむ春の夢ならば/向田貴子
中空に修羅を舞ひたる春の夢/佐藤鬼房
御昼まで忘れずにゐる春の夢/桑原三郎
春の夢あまたの橋をわたるかな/桂信子
春の夢みてゐて瞼ぬれにけり/三橋鷹女
春の夢尾鰭をつけて話しけり/大向/稔
春の夢眼鏡をかけずもう一度/二村典子
春の夢山脈を曳きずるは雉子/金子皆子
俳句例:21句目~
春の夢三鬼の髭に会ひにけり/島野光生
春の夢音を聞かずに終りたる/牧石剛明
春の夢鳥のことばのよく解り/太田寛郎
春の夢少しぼかして妻に言ふ/後藤静一
春の夢閻魔の前をすたすたと/杵淵三津
籠の鵬春の夢なら飼はんかな/中西夕紀
逝く春の夢の子細に及びけり/橋本榮治
逝く春の夢の渚にひとと逢ふ/野澤節子
鉄鉢を掌に乗せし春の夢/長谷川かな女
持論などいかゞなものか春の夢/加藤郁乎
春の夢さめて病ひののこりけり/細川加賀
春の夢つづき煌たり疲れたり/中村草田男
春の夢のごとく娘が嫁くと言ふ/鈴木鷹夫
春の夢みて熱さましどつと効く/内田美紗
春の夢水のかたちにたとふべき/松澤雅世
江ノ島も褪せゐし春の夢いづこ/石塚友二
あるときはふるさと燃ゆる春の夢/藤田湘子
春の夢つかのまなりしおもかげよ/吉屋信子
春の夢天空駆けてゐる「わたし」/樋口津ぐ
春の夢縄の梯子をのぼらせて/はらだかおる
俳句例:41句目~
春の夢夜つづき煌たり疲れたり/中村草田男
春の夢の中ではらはらしてゐたる/猪俣千代子
覚めて身のしなやかならず春の夢/片山由美子