「石鹸玉」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「石鹸玉」について
【表記】石鹸玉
【読み方】しゃぼんだま
【ローマ字読み】shabondama
子季語・関連季語・傍題・類語など
・たまや(たまや:tamaya)
・水圏戯(すいけんぎ:suikengi)
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季節による分類
・「し」で始まる春の季語
・「春の生活」を表す季語
・「三春」に分類される季語
月ごとの分類
石鹸玉を含む俳句例
石鹸玉幾畝ゆけり麦青む/秋櫻子
陋巷に色ゆたかなる石鹸玉/林火
こはれゆく数補ひて石鹸玉/湯川雅
兄らしく妹らしく石鹸玉/和田克己
石鹸玉唇に来て熱く消ゆ/萩原麦草
石鹸玉柳の風に後じさり/鈴木花蓑
肩車その高さより石鹸玉/乳井利国
石鹸玉犬に吹きゐる夏休み/林周作
石鹸玉猫の髭にて割れにけり/蒼石
花園の塀の中より石鹸玉/鈴木花蓑
忙しきくらし映さず石鹸玉/稲畑汀子
石鹸玉蘆花公園の街角に/田川飛旅子
しやぼん玉兄弟髪の色違ふ/西村和子
一人子の鏡に吹けり石鹸玉/牧野暁行
石鹸玉麒麟の高さを越して爆ぜ/蓼汀
石鹸玉女神の毬のごと弾み/福田蓼汀
石鹸玉掬ふ両手が壊れさう/野中亮介
張板に隠れて澄める石鹸玉/鈴木花蓑
牛小屋の牛に流れぬ石鹸玉/福島鼓調
石鹸玉お伽のくにの夢のいろ/上村占
俳句例:21句目~
石鹸玉つゝじにふれず流れ消ゆ/泊雲
石鹸玉よろばひ出でし無風かな/誓子
石鹸玉吹く顔窓に重なれり/新田郊春
石鹸玉吾子にも恋の敵ゐる/田中裕明
うすうすと幾つもあげぬ石鹸玉/原石鼎
盛装の石鹸玉地に落ちて来ず/三好潤子
まぼろしの国映ろへり石鹸玉/芝不器男
石鹸玉流れ越したる手摺かな/野村泊月
吹いてをり離れたがらぬ石鹸玉/比奈夫
考へる眼を犬もして石鹸玉/福永虞美人
石鹸玉天衣無縫のヒポクリツト/草田男
石鹸玉ひと吹き十三七つほど/鈴木鷹夫
太郎の寡作次郎の多作石鹸玉/吉田美和
しやぼん玉割れ一滴の水残す/徳丸峻二
湧き起こる風に迅しや石鹸玉/依光陽子
石鹸玉仰ぐ子犬の鼻に消ゆ/岡部六弥太
石鹸玉割れし虚空を蝶が過ぐ/加藤楸邨
石鹸玉吹くと海風つどひ来る/橋本榮治
継ぐ息に歪んでをりぬ石鹸玉/鈴木有紗
末々のこと見ゆ石鹸玉吹きぬ/榎本好宏
俳句例:41句目~
石鹸玉吹けば此の世の色尽す/三好潤子
石鹸玉吹ける側から壊されぬ/高澤良一
しやぼん玉吹き太陽が宙返り/山田弘子
しやぼん玉底にも小さき太陽持つ/篠原
しやぼん玉窓なき厦の壁のぼる/多佳子
しやぼん玉雷門をくぐりけり/山田弘子
夜半の灯に日の色現じ石鹸玉/中村草田男
息入れて石鹸玉みな天にやる/橋本美代子
櫺子より飛んで出でけり石鹸玉/高浜虚子
流れつつ色を変へけり石鹸玉/松本たかし
父と児とかたみに吹きて石鹸玉/福田蓼汀
異次元に吸ひ込まれゆく石鹸玉/柴田奈美
石鹸玉きらりと門を出づるなり/依光陽子
石鹸玉の中に入つてしまひけり/太田土男
石鹸玉の息ゆら~と円かさよ/島村元句集
石鹸玉まだ吹けぬ子も中にゐて/山西雅子
石鹸玉吹く子に年も暮れにけり/萩原麦草
石鹸玉小さく吹いて皆飛べり/大谷碧雲居
石鹸玉背後掠めてゐたりけり/八木林之介
石鹸玉大きく澄んできたりけり/京極杞陽
俳句例:61句目~
落日へ吹きつけ吹きつけ石鹸玉/増田達治
風吹いて石鹸玉とぶ早さかな/高橋淡路女
しゃぼん玉公園の子に流れけり/高澤良一
しゃぼん玉壊すが好きな女の子/高澤良一
しゃぼん玉曼陀羅孫がその央に/高澤良一
しやぼん玉しばらく路地に沿ひ流る/良子
しやぼん玉七彩保つまゝ失せし/岸風三樓
しやぼん玉吹くや一つの窓領し/中村汀女
しやぼん玉夢潰えるに音のなき/金子孝子
向う家にかゞやき入りぬ石鹸玉/芝不器男
しやぼん玉横断歩道を渡りきる/能勢俊子
しやぼん玉歌劇の父の像に吹く/岩崎照子
しやぼん玉磴を一段づつ降りる/行方克巳
喪失てふあをぞらへ吐く石鹸玉/櫂未知子
しやぼん玉西郷公を濡らしけり/須原和男
しやぼん玉雲を映して子の忌日/樋口芦笛
地を天にあげたる心地石鹸玉/宇多喜代子
一つ一つが三千世界しゃぼん玉/高澤良一
夫と妻の隙間しゃぼん玉あがれ/鎌倉佐弓
しやぼん玉一ト弾みして風にのり/行方克巳
俳句例:81句目~
しやぼん玉尼僧の列を乱しけり/土肥あき子
しやぼん玉舞ふ天のいろ風のいろ/有馬籌子
リハビリの杖突きしゃぼん玉の中/高澤良一
日のあとを追つて行きけり石鹸玉/佐藤和枝
子と吹けば明日が見ゆる石鹸玉/ほんだゆき
しやぼん玉息といふものかく軽し/岩城久治
石鹸玉格子もぬけず消えにけり/雪中庵龍雨
しやぼん玉産毛に触れて全うす/岡野スミ子
しやぼん玉瀕死の地球を包みをり/山田一男
しやぼん玉吹きゐる顔に山近む/柴田白葉女
いざとなると娘離れ下手よ石鹸玉/渡辺恭子
しやぼん玉吹くに幼なの膝ぢから/石田郷子
石鹸玉消ゆるを待たず吹きにけり/高村寿山
石鹸玉わたしに足りないのは黄色/鎌倉佐弓
石鹸玉飛ばす子追ひかけ壊せる子/高澤良一
しやぼん玉小さな風に逆らはず/堀之内末子
露地に海といま吹きし石鹸玉のみよ/宮津昭彦
しやぼん玉伊勢屋で割れて不吉なり/筑紫磐井
しやぼん玉吹きたくさんの顔飛ばす/坂本宮尾
しやぼん玉吹きたくなりて嬰に買ふ/安田晃子