「凧」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「凧」について
【表記】凧
【読み方】たこ
【ローマ字読み】tako
子季語・関連季語・傍題・類語など
・凧揚げ(たこあげ:takoage)
・凧合戦(たこがっせん:takogassen)
・長崎の凧揚げ(ながさきのはたあげ:nagasakinohataage)
・紙鳶(いかのぼり:ikanobori)
・絵凧(えだこ:edako)
・字凧(じだこ:jidako)
・奴凧(やっこだこ:yakkodako)
・扇凧(おうぎだこ:ogidako)
・軍配凧(ぐんぱいだこ:gumpaidako)
・うなり凧(うなりだこ:unaridako)
・ばらもん凧(ばらもんだこ:baramondako)
・凧の糸(たこのいと:takonoito)
・凧の尾(たこのお:takono)
・凧日和(たこびより:takobiyori)
・懸り凧(かかりだこ:kakaridako)
・切れ凧(きれだこ:kiredako)
・狂い凧(くるいだこ:kuruidako)
・凧の陣(たこのじん:takonojin)
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季節による分類
・「た」で始まる春の季語
・「春の生活」を表す季語
・「三春」に分類される季語
月ごとの分類
凧を含む俳句例
二子玉川凧凧/小林貴子
凧の糸濡さじものを潦/仙堂
夕風の俄に起る凧/正岡子規
葬列の呟滲む天の凧/上村占
凧鏡が浦ハ真ツ平/正岡子規
凧月も出てある三笠山/維駒
初凧の礁ぬきんづ新夫婦/原裕
一月の小学校の懸り凧/下田稔
枯山や昼三日月と凧/増田龍雨
凧与市が弓の稽古哉/正岡子規
凧のあたりどころや瘤柳/丈草
凧くるわの空に唸り居り/篠原
凧平衡感覚使ひけり/高澤良一
家書万金に抵るなり凧/龍岡晋
大凧の太綱むすぶ去年今年/原裕
凧持て風尋るや御伽の衆/炭太祇
正月の凧裏窓に漂へり/風間加代
傾城の門まで出たり凧/正岡子規
元日の昼たけてあり凧二つ/森潮
凧吹いて島の峠の白薄/和知喜八
俳句例:21句目~
凧引き擦られゆく磧かな/中田剛
凧越後国原照る雪に/佐野青陽人
宙吊りの飾羽子板飾凧/清崎敏郎
雨晴れて一本榎凧高し/正岡子規
天の国遠し遠しと凧/佐久間慧子
凧きのふの空のありどころ/蕪村
拾得の几巾にからむや玉箒/其角
裏山に来て父の息凧の息/石寒太
藪入の碧空の凧澄めるかな/種茅
美しき凧上りけり乞食小屋/一茶
紅の羽根さゝれけり烏凧/伊藤観
凧高し鏡が浦は真ッ平/子規句集
切れ凧や後徳大寺の棟の上/元夢
積藁にもたれ心や凧/久野助二郎
夕嵐切凧西に飛んで行/正岡子規
痩村に見ゆや小春の凧/正岡子規
夕暮や都の空の凧一つ/正岡子規
青天に朝より凧を漂はす/大串章
山の日は如来の裏に凧/古舘曹人
大空の淋しき国へ凧/中尾寿美子
俳句例:41句目~
日の暮に凧の揃ふや町の空/一茶
人もなし野中の杭の凧/正岡子規
風に乗る姿は軽し鳳巾/正岡子規
今様の凧上りけり小食小屋/一茶
凧ひとつ浮ぶ小さな村の上/龍太
凧また日輪をさへぎりて/中田剛
山路来て向ふ城下や凧の数/太祇
城山や少年の凧糸太し/藤岡筑邨
冴え返る空灰色に凧一つ/会津八一
凧揚がる大海原を借景に/菅原文子
凧かけてさびしき夜の柱かな/土朗
凧遂に風向きとらえたる/高澤良一
杉襖その上に凧いと高し/鈴木花蓑
曳く糸が生くる証の凧/佐藤美恵子
凧あがる空の弾力妻妊る/石井康久
放参の黄檗僧か凧のぼり/正田雨青
凧あがる衣笠山の日表に/野村泊月
凧小さく天に停り田の氷/内藤吐天
凧あくる子守女や御院田/正岡子規
忽然と凧落ち来る小庭哉/正岡子規
俳句例:61句目~
初凧の舞天帝を唸らしむ/宮田硯水
大凧や階子に並ぶ庭の隅/正岡子規
庭先に凧落かゝる夕日哉/寺田寅彦
雪山の端が輝き奴凧/阿部みどり女
島彼方積荷の凧が絵を累ね/上村占
連凧を仰げる眉間父子かな/石寒太
かの童まだ遠凧につながれる/林翔
袂晴に親子絆の凧ひとつ/三戸水歩
夕雲に凧の行衛の覚束な/羅蘇山人
蓬生や日暮れておろす凧の音/梅室
山里の空や師走の凧一つ/正岡子規
春風やおとづれそむる凧/正岡子規
きら~と天日に凧近づけり/及川貞
天梯の如く連凧揚りけり/平松三平
きれ凧の川渡り行く嵐哉/正岡子規
草の上に凧合戦の控凧/山崎ひさを
江東の凧の巷に育ちける/京極杞陽
凧の下母が手織の絣欲し/石田波郷
花粉症にも患はず火伏凧/伊藤二瀬
老人が凧に命を入れてをり/日原傳
俳句例:81句目~
凧の影走り現る雪の上/松本たかし
天に凧海苔網洗ひ尽くすまで/林翔
多摩の子は葱畑より凧揚ぐる/青邨
竜の字は龍でなくては凧/大橋敦子
凧日和百畳の凧天に在り/竹内瑞芽
凧日和遠州灘に波あがり/菖蒲あや
窓岩の上に凧あぐ春の海/前/孝治
勝凧を掲ぐ陣屋の天井に/大石祐子
天界の大凧五月の風の色/芝岡友衛
天に凧地に吾ひとり夕茜/中嶋秀夫
厨芥車に青空は遠い凧飾る/有働亨
砂浜に落ちて砂噛む奴凧/高澤良一
凧白く山嶽を引き絞りけり/大串章
凧白し長閑過ての夕ぐもり/炭太祇
凧百間の糸を上りけり/河東碧梧桐
痩村に見ゆるや小春の凧/正岡子規
凧童児去り青麦の丘残す/石塚友二
凧童子一郷の風掌中に/脇本千鶴子
凧童子去り青麦の丘残す/石塚友二
山路きてむかふ城下や凧の数/炭太