「野遊」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「野遊」について
【表記】野遊
【読み方】のあそび
【ローマ字読み】noasobi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・野がけ(のがけ:nogake)
・山遊(やまあそび:yamaasobi)
・山いさみ(やまいさみ:yamaisami)
・春遊(はるあそび:haruasobi)
・ピクニック(ぴくにっく:pikunikku)
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季節による分類
・「の」で始まる春の季語
・「春の生活」を表す季語
・「晩春」に分類される季語
月ごとの分類
野遊を含む俳句例
野遊びの口笛何ぞ高音なる/林翔
母細眼薄明界の野に遊び/桂信子
山遊び我に隨ふ春の雲/石井露月
野遊や路山に入る麥畠/会津八一
女患らが病廊に出て野遊す/齋藤玄
野遊の人見に登る天守かな/谷活東
野遊びの大西洋に車椅子/斎藤夏風
野遊びの妹にして人の妻/南川成樹
野遊びを誘ふ野崎の花暦/前内木耳
野遊びやたつて腰うつ春の暮/信徳
野遊びの終り太平洋に出づ/大串章
老僧の花野遊びは苦行とも/齋藤玄
野遊や霊園行のバスに乗り/瀧春一
野遊や筍早き嵯峨の寺/松根東洋城
野遊びの切株に置く犬の服/小林波留
卒業即浪人の子と野に遊ぶ/細川加賀
野遊の女がぬぎし羽織かな/野村喜舟
野遊の弁当赤き紐ほどく/深見けん二
野遊の心たらへり雲とあり/高濱年尾
妹あわれ野遊の飯食みこぼし/三谷昭
俳句例:21句目~
野遊びの子にひつじ雲兎雲/根岸善雄
子の母のわが妻のこゑ野に遊ぶ/原裕
野遊の遥に水をもとめけり/会津八一
野遊びと世は異ならず白遍路/森澄雄
野遊や人目なければ頬被り/岡本松浜
野遊や口ついて出る唄の節/野村喜舟
野遊びの遠い人影三鬼亡し/佐藤鬼房
野遊びの逢魔が時の橋こつ/牧瀬千恵
野に遊ぶ七夕童子びしよ濡れに/原裕
野遊やよそにも見ゆる頬冠/村上鬼城
野遊びの着物のしめり老夫婦/桂信子
春月や幕とり残す山遊び/大須賀乙字
野遊やあらぬ方より男だち/石井露月
野遊びに祖先の雲の大きかな/里見静
野遊びに昏れ兄妹の同じ声/杉本雷造
芒野に遊べば一夜で銀の髪/本郷和子
孝行の国としよりの山遊び/森田公司
二十で朽ち四十で霞む山遊び/竹中宏
野遊びの橋渡るとき川覗く/小杉風子
雪籠皆が経親し野に遊ぶ/嶋田摩耶子
俳句例:41句目~
野遊びや老の一日すぐ暮れる/菅敏夫
丹頂の遊びをる野を我旅人/依田明倫
野に遊ぶ日曜毎の路を又/楠目橙黄子
野遊や小松がもとの物語り/会津八一
野遊や夕餉は連れの友の家/鈴木花蓑
野遊のをとこが汲んで谿の水/大石悦子
野遊の心のままに別れけり/水田むつみ
野遊の果の船渠にうづくまる/大石雄鬼
野遊びに足らひし妻か夕支度/中島斌雄
野遊びのあつまりて皆直面/吉本伊智朗
わが為に皆野に遊ぶ乳母が宿/高浜虚子
野遊びのしるべの一樹囀れる/橋本榮治
上海を出て清明の野に遊ぶ/三宅清三郎
頒ち合ふ鮨の香濃しや山遊び/岩村牙童
亡き母の乗る浮雲と野に遊ぶ/山田弘子
人と灯を恋うて戻るや野に遊び/森澄雄
印籠に野遊の絵のふくれをり/大石雄鬼
野遊びの声に湧き来し稚の群/河野南畦
野遊びの心たらへり雲とあり/高浜年尾
野遊びの横顔ばかり墓地をゆく/今井勲
俳句例:61句目~
野遊の時間を油断しすぎたる/山田弘子
野遊びの水のしみだす一ところ/辻桃子
春の野や遊び疲れし影法師/市ヶ谷洋子
野遊びの皆伏し彼等兵たりき/西東三鬼
野遊びの離れ居りしは炊ぐなり/鈴木元
野遊びや略図に太き川渡り/櫛原希伊子
野遊びや近く寄りくる淀の鳥/吉田冬葉
野遊や肱つく草の日の匂ひ/大須賀乙字
霞野や遊離たのしむ牛いくつ/村越化石
風出でて野遊びの髪よき乱れ/西東三鬼
芒野に遊びて母の忌なりけり/山田弘子
貝毒の出てくる頃や野に遊ぶ/上島清子
野蒜掘り芹摘み己れ遊ばしむ/石塚友二
野遊のひと日得て飯握るなり/森川暁水
子負虫母たちもけふ野に遊ぶ/篠田悌二郎
野に遊ぶことを翁にならひけり/大石悦子
野遊びの山の名聞きてすぐ忘れ/今瀬剛一
すり傷にママの魔法や野に遊び/熊丸淑子
野遊びのつひには川を徒渉る/猿橋統流子
野に遊ぶ子等紙旗を立てにけり/大田洛川
俳句例:81句目~
野遊びの昼餉の中をわが通る/八木林之助
商ひの遠出野遊びごころにも/宮井しづか
天上の花摘むごとし野の遊び/櫛原希伊子
野遊びの服を叩いて起ち上がり/高澤良一
雲雀野を一つもらひしごと遊ぶ/藤崎久を
暖かき日を遊ばんと野に出でし/高木晴子
書を繰りて野遊びの夜の指粗し/山田弘子
木簡のうすれて読めぬ野に遊ぶ/古賀寿代
野遊やいちごの味の子のあくび/田中幸雪
野遊びや一死もとより屠龍の技/加藤郁乎
母と子と時にはもつれ野に遊ぶ/安斉君子
野遊びやリユックにごつと洋酒壜/小島健
野遊びの児等の一人が飛翔せり/永田耕衣
野遊びのため一湾をよぎり来し/鷹羽狩行
野遊びの野に月上げておどろ髪/攝津幸彦
野の遊びせむとて仇に齢とりぬ/後藤綾子
野遊びのつづきの二人松に入る/中嶋秀子
野遊びに似ておん墓に憩ふなり/手塚美佐
野遊びの天に歩みてゆくごとし/平井照敏
野遊びの続きにありぬ養老院/小泉八重子