季語/桜餅(さくらもち)を使った俳句

「桜餅」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「桜餅」について

【表記】桜餅

【読み方】さくらもち

【ローマ字読み】sakuramochi

子季語・関連季語・傍題・類語など

季節による分類

・「さ」で始まる春の季語

・「春の生活」を表す季語

・「晩春」に分類される季語

月ごとの分類

4月の季語

桜餅を含む俳句例

櫻餅濡れて入り来し扉かな

観音は男の匂ひ桜餅/開高斉

桜餅裸の如く葉を去れり/篠原

花の雲言問団子桜餅/正岡子規

父へ詣母へ買ひきし桜餅/原裕

山裾に大きな鐘や桜餅/上村占

恬淡と女の中に桜餅/古舘曹人

桜餅草餅春も半かな/正岡子規

万太郎折柴汀女櫻餅/三好達治

幕間に一つ貰ひし桜餅/保坂伸秋

道明寺さまの糒の桜餅/大橋敦子

まどろめば衰ふる心桜餅/原月舟

桜餅盆に美くし婦人会/吉屋信子

案の定母の土産は桜餅/青/和子

わが妻に永き青春桜餅/沢木欣一

濡れ傘を傍に置き桜餅/鈴木鷹夫

齢やや餡も好みに桜餅/荒井正隆

母と妻街の噂を桜餅/深見けん二

額白う女疲れぬ桜餅/島村元句集

桜餅紅葉鏡花好み読む/野村喜舟

俳句例:21句目~

桜餅一皿一個家継がず/対馬康子

雨水は溝を走れり櫻餅/前田普羅

墨堤に雨の明るし桜餅/下山宏子

桜餅心に描く夕渡舟/島村元句集

櫻餅寒櫻にも先がけし/相生垣瓜人

江戸図絵に残る墨田の桜餅/北川草

うかれたる心も少し桜餅/星野立子

磯山の匂ひなりけり桜餅/長谷川櫂

競漕の雨となりけり桜餅/高野素十

薄き葉の中に朱味や桜餅/正岡子規

桜餅ま昼を馬の通りけり/中島佐渡

さくらより少し色濃し桜餅/森澄雄

鎌倉の雨のにほひの桜餅/鈴木鷹夫

雨を来し人ひとくさし桜餅/原石鼎

頬を撫でゝ鬚に消ゆ風桜餅/原月舟

蓬餅桜餅春はいろ~の/岡本癖三酔

桜餅歯型残して子は外に/河野弓子

どの山のさくらの匂ひ桜餅/飴山實

手の甲にほつりと雨や桜餅/畑耕一

ふたり早起き道明寺櫻餅/黒田杏子

俳句例:41句目~

ふと触れし女湿りの桜餅/小澤克己

また弾む話に戻り桜餅/五十嵐哲也

桜餅待つ瞳過りぬ蜆売/島村元句集

新妻の思はれにきび桜餅/塩川祐子

一枚の葉のある風情桜餅/山田聴雨

一枚の葉の持ち味や桜餅/龍野/龍

七福神詣でなかばに桜餅/前田鶴子

三つ食へば葉三片や桜餅/高濱虚子

中学の生徒ばかりや桜餅/田中冬二

仏壇の妻より貰ふ桜餅/高原喜久郎

昼深く妻とふたりや桜餅/長谷川櫂

休日の母娘でつくる桜餅/野畑節子

出帆の一日遅れぬ桜餅/五十嵐播水

本郷に桜餅買ふ喪の帰り/沢木欣一

友禅師仕事あがりの桜餅/高村俊子

君還るなかれ燈下の櫻餅/岩木躑躅

桜餅に暮春の鐘の響聞け/島田青峰

桜餅夕暮山のごときもの/長谷川櫂

大風の障子閉しぬ桜餅/芥川龍之介

封切つて白折と知り桜餅/石川桂郎

俳句例:61句目~

桜餅みな児を忘れ同窓会/吉屋信子

川風の軽きをまとひ桜餅/橋本榮治

桜餅買ひ雑沓に流されぬ/宮坂静生

桜餅闇のかなたの河明り/石田波郷

桜餅顔くろぐろと男まへ/川崎展宏

桜餅空際にほひ立つ日暮れ/平井照敏

いましがたまでの雨音桜餅/福井隆子

うぶごゑを待つや草餅桜餅/鈴木鷹夫

お湿りの音となりゆく桜餅/市村芳子

干支同じ親しさにゐて桜餅/森田公司

桜餅今日さざ波の美しく/大木あまり

桜餅白きは一重とやいはん/柳川春葉

桜餅気になる咳をする人と/茨木和生

桜餅母の忌日は誰も知らぬ/青木良繁

桜餅芳香うれしき限りかな/高澤良一

仰ぎ見る諏訪の鳥居や桜餅/松藤夏山

世に失せし歯の数数や桜餅/三橋敏雄

大き掌は農具の一つ桜餅/佐々木北闘

桜餅四つは字余りのやうに/鈴木鷹夫

桜餅雨のとびつく硝子窓/片山由美子

俳句例:81句目~

大川を渡りて買ふや桜餅/浜口恵以子

桜餅食うて抜けけり長命寺/高浜虚子

櫻餅人の寒さに匂ひいでし/渡邊水巴

君が旅すでにはじまる櫻餅/後藤夜半

一門の下戸ばかりなる桜餅/河野静雲

桜餅弥陀三尊に一つづつ/北村光阿弥

水無月の余花を尋ねて桜餅/正岡子規

妻に未だちちはは在す桜餅/伊東宏晃

日本の句会終ひや桜餅/阿部みどり女

瀬戸内に雨こまかなり桜餅/鈴木鷹夫

桜餅ひとりになれば夕永し/永井龍男

玻璃よりも青き舗道や桜餅/宮坂静生

目の前の浮世がたのし桜餅/岩木躑躅

睦事はこのごろとんと桜餅/茨木和生

桜餅子が寝て夫婦水入らず/西宮/舞

冷え~と春なつかしや桜餅/増田龍雨

桜餅そろそろ樋を直さねば/水野李村

葉がくれに小さし夏の桜餅/正岡子規

啄木の町は教師が多し桜餅/寺山修司

桜餅帆かけた舟も通りたる/京極杞陽