「春の海」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「春の海」について
【表記】春の海
【読み方】はるのうみ
【ローマ字読み】harunomi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・春の湖(はるのうみ:harunomi_)
・春の浜(はるのはま:harunohama)
・春の渚(はるのなぎさ:harunonagisa)
・春の磯(はるのいそ:harunoiso)
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季節による分類
・「は」で始まる春の季語
・「春の地理」を表す季語
・「三春」に分類される季語
月ごとの分類
春の海を含む俳句例
紫に夜は明かゝる春の海/几董
春の海入込みこゝを油壺/虚子
家持の妻戀舟か春の海/高浜虚子
春の海庇の下にまつ平/佐藤峻峰
干網の一目一目の春の海/上村占
焼鳥の串のあめいろ春の磯/原裕
春の海終日のたりのたり哉/蕪村
煙突の一本高し春の海/高浜虚子
春の海竜のおとし子拾ひけり/露伴
水枕干すにも春の海の音/中山純子
陸奥の牧東に開け春の海/石井露月
限りなき日本領や春の海/尾崎紅葉
鮫となり誰か沖ゆく春の海/徳弘純
停泊の船長に雨春の海/鈴木六林男
満汐や橋の下まで春の海/正岡子規
春の海岩はひ上る遊び波/山口青邨
春の海岬の数を並べけり/野村喜舟
春の海ひねもすのたり~かな/蕪村
軍艦が軍艦を撃つ春の海/高柳重信
春の海と鳥と寝るならば/田中裕明
俳句例:21句目~
胸衿を沖へ開いて春の海/高橋悦男
緩やかな珈琲の渦春の海/倉田健一
春の海より易々とかもめ翔つ/清子
子の声の溢るる春の渚かな/原昭二
弓なりの春の渚に絵具箱/大屋達治
待春の海凪ぎ青き原酒樽/坂井とみ子
凧の骨刺さりし春の渚かな/中村和弘
画きたる波三本の春の湖/岩本/周熈
春の海見むと岬へ大股に/成瀬桜桃子
舟歌に月こそ出づれ春の海/藤野古白
灯台や手毬のやうな春の海/松山足羽
長江の濁りまだあり春の海/高浜虚子
一方に春の湖ある障子かな/山本洋子
伊勢湾口大なる春の海会す/山口誓子
春の海船の吃水さま~に/五十嵐播水
維盛入水の春の海なりけり/尾崎迷堂
午後からは岩の現れ春の海/岡田耕治
塔の中巡るや春の海寄りに/古舘曹人
春の海潮甘かれと思ひけり/巌谷小波
海蔵門二枚びらきや春の海/井原西鶴
俳句例:41句目~
春の海コップの水のごと平/山崎一義
春の海四角の黒きもの沈む/山口誓子
春の海一燈つよく昏れにけり/桂信子
春の海箱舟にゐし記憶あり/仙田洋子
春の海入渠の船のうすき煙/山口誓子
山越のそゞろ見返り春の海/島田青峰
青楼や欄のひまより春の海/夏目漱石
小松石春の渚にあるはまろき/瀧春一
春の海かく碧ければ殉教す/岩岡中正
轍あと春の渚をひとまはり/細川加賀
雪山の名を言ふ春の渚かな/山本洋子
大あくび春の海より貰ひけり/高澤良一
島々に灯をともしけり春の海/正岡子規
日本発つ水尾出来そめし春の海/関圭草
春の海たちまち変る貌もてり/石原舟月
春の海に橋をかけたり五大堂/夏目漱石
春の海まつすぐ行けば見える筈/大牧広
春の海や暮れなんとする深緑/前田普羅
春の海わがしはぶきに応へざる/瀧春一
春の海一重の薮をもてへだつ/山口青邨
俳句例:61句目~
春の海砂に吸はれて波果てる/宮下邦夫
天城嶺は西日をとめて春の海/松村蒼石
春の海船頭起きて真帆あがる/藤野古白
春の海見にゆくことも定年後/池田秀水
春の海隔てゝ安房と相模かな/篠崎霞山
春の海龍のおとし子拾ひけり/幸田露伴
朝ごとの色確かめつ春の海/小川濤美子
核弾頭うつらうつらと春の海/大口元通
沖たかく行く春の海船をみず/飯田蛇笏
燈台にばむばむ春の海よする/下村槐太
物干がいくつも見えて春の海/永井龍男
竜神のけふ渡るなり春の海猫/角川春樹
羊水の記憶のままの春の海/おおしろ建
長崎の燈に暮れにけり春の海/渡辺水巴
雨上りゐてさりげなき春の海/松村蒼石
鳩群れて飛ぶ毬となる春の海/高井北杜
胎動をいざなふごとし春の海/仙田洋子
鏡なす暮春の湖をわたりけり/飯田蛇笏
春の浜なほ著ぶくれて媼あり/高濱年尾
足跡は一人と二匹春の浜/佐土井智津子
俳句例:81句目~
あら悲し眺め入る目も春の海/会津八一
よう候の聲もたるみぬ春の海/幸田露伴
傘さして小舟出しけり春の海/角田竹冷
入渠まつ船が繋れり春の海/五十嵐播水
分骨のあとあをあをと春の海/友岡子郷
幾筋も佳き川ありて春の湖/八木林之介
目を凝しをればあふるる春の海/北元多加
春の海渡らばそこに何がある/野田別天楼
箱馬車に傾ぐを見たり春の海/金箱戈止夫
春の海大工なかなか降りてこぬ/永末恵子
春の海むかしのごとく天守より/山口青邨
春の海ほどの御堂のひとりかな/吉田紫乃
春の海暮るるとき来て波ひびく/松村蒼石
春の海へぐんぐんバスの一路陥つ/瀧春一
春の海ビニールすでに黒ずみぬ/攝津幸彦
春の海振子の如き日を見たり/小川原嘘師
行く春の海渡り来る卑弥呼かな/佐川広治
春の海珊瑚の枝は伸びつつあり/福田蓼汀
長々と蛸も伸びする春の海/大サカ-附鳥
機の下は春の海とも奈落とも/保田白帆子