「睦月」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「睦月」について
【表記】睦月
【読み方】むつき
【ローマ字読み】mutsuki
子季語・関連季語・傍題・類語など
・年端月(としはづき:toshihazuki)
・初春月(はつはるづき:hatsuharuzuki)
・初空月(はつぞらづき:hatsuzorazuki)
・太郎月(たろうづき:tarozuki)
・霞初月(かすみそめづき:kasumisomezuki)
・早緑月(さみどりづき:samidorizuki)
・子日月(ねのひづき:nenohizuki)
・祝月(いわいづき:iwaizuki)
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季節による分類
・「む」で始まる春の季語
・「春の時候」を表す季語
・「初春」に分類される季語
月ごとの分類
睦月を含む俳句例
山深く睦月の佛送りけり/西島麥南
信念の重み睦月の一家集/高澤良一
引潮や睦月の貝の肌光る/小坂順子
悼みごと重ねて睦月如月と/高澤良一
山国の年端月なる竃火かな/飯田蛇笏
神の磴睦月の蝶を遊ばしむ/富安風生
紙干して睦月明るし比企郡/遠藤節子
身延山雲靆く町の睦月かな/飯田蛇笏
沈丁の蕾の青き睦月かな/中上三川子
睦月から螺旋踏段はづさるる/川村六菖
睦月まだ球體を切る術いぶかし/竹中宏
神々に抱かれてゐる睦月かな/中村正幸
睦月富士翼のごとき雲もてり/山吉空果
蛸突きや睦月の潮にひとり楫/松村蒼石
六日はや睦月は古りぬ雨と風/内藤鳴雪
初孫の睦月の空のめでたけれ/瀧村水峯
国頭や睦月素足の藍絞り/ながさく清江
地鳴鳥遊べる山の睦月かな/鈴木しげを
山国の魚を釣りゐる睦月かな/橋本榮治
越中の日和続かぬ睦月かな/藤井寿江子
俳句例:21句目~
嶽の耳雲のくすぐる睦月かな/西本一都
掛け替へし杉玉の香や睦月尽/根岸善雄
松とれて後の睦月のかけ足に/草村素子
浜名湖の夕潮はやき睦月かな/皆川盤水
渓聲に鷹ひるがへる睦月かな/飯田蛇笏
火を焚いて浦畠人の睦月かな/飯田蛇笏
犬曳きて睦月六日の夕ごころ/今野福子
留学の子の旅立ちて睦月尽/大野雑草子
つれ~の人美しき睦月かな/長谷川かな女
むつみ月拾いたくないものに櫛/木村正光
一族をつつむひかりも睦月かな/保坂敏子
島を出て海女も睦月の髪を結ふ/小池白苑
拓村のなりはひむつむ睦月かな/飯田蛇笏
竹とんぼ睦月の空を錐揉みに/市ヶ谷洋子
筑紫野ははこべ花咲く睦月かな/杉田久女
読みきれぬ本を抱きて睦月過ぐ/立岩利夫
睦月に逝き世の寸法に合はぬ人/高澤良一
野も山も神の灯ともる睦月かな/新海非風
なつかしき睦月のちりやすずり筥/飯田蛇笏
湖東三山みな雲抱ける睦月かな/三輪田育夫
俳句例:41句目~
睦月月夜並びゆくひと吾子は得て/田中英子
崎のみち睦月の花菜ちりばめぬ/柴田白葉女
酒ほがひ倦みつかれたる睦月かな/飯田蛇笏
睦月/名を流す岸を遠くに冬の町/宇多喜代子
手も足もしまはれ赤子の睦月かな/蓬田紀枝子
生死の戸まだ閉ざされて睦月かな/石田由美子
睦月とふ馴染めぬ月も過ぎゆけり/藤原たかを
またの年の睦月もいはへ千代の江戸/江戸-季吟/元禄百人一句