身辺に関連した俳句の例をまとめました。
身辺を含む俳句例
身辺に生死相つぐ更衣/吉井莫生
身辺に母がちらちらして涼し/耕二
夜の雷身辺に師の封書おく/桂信子
秋風や身辺諷詠味気なし/西本一都
身辺の消息として虫名残/後藤夜半
身辺に加はる青さ網戸出す/児玉輝代
無花果を食ふ身辺を風急ぐ/右城暮石
身辺にものの少き大暑かな/高野素十
籐椅子を愛し身辺の句を愛す/安住敦
秋立つや身辺雑事常ながら/谷川虚泉
秋風は身辺にはた遠き木に/富安風生
忌を修し身辺の秋深めけり/川村紫陽
恋猫とゐて身辺を乱さるる/赤尾恵以
身辺に新盆二三夜の風樹/猿橋統流子
歎異鈔身辺に秋深むかな/冨田みのる
身辺の一日の反古蝶となれ/鷹羽狩行
身辺に禍なく見つむ冬夕焼/西田飄石
夏籠りの身辺白き花充たす/つじ加代子
復活祭身辺まれにまことあり/井沢正江
急がねば身辺いよよ冬ざるる/倉田紘文
俳句例:21句目~
切山椒身辺をさめつくしけり/向笠和子
花の雨熱きものいま身辺りに/加古宗也
花火の音身辺朝より乾きをり/桜井博道
行年や身辺の書をかたづけて/湯浅典男
身辺に必死の蟻のふえてをり/中嶋秀子
あたたかや水の匂ひを身辺に/福永耕二
いつの日に身辺整理歳またゆく/及川貞
身辺紅きものばかり日記買ふ/鈴木有紗
冴え返る身辺白し黒を着て/殿村菟絲子
身辺や鶺鴒あまた生れしのみ/下村槐太
水温む身辺りの冷えきはまるに/小林康治
秋の風旅は身辺にもの殖ゆる/米沢吾亦紅
身辺に割けざる柘榴置きて愛づ/山口誓子
火蛾打つて男身辺に白髪散る/加藤知世子
身辺も煙突もまた梅雨に入る/加倉井秋を
身辺や年暮れんとす些事大事/松本たかし
書を積んで落着く身辺我鬼忌来る/奈良文夫
かげろふを踏み身辺に死つぎつぎ/石原舟月
羽づくろふ鶴の身辺日ざしあり/竹中碧水史
身辺に数珠ある日々や花いまだ/猿橋統流子
俳句例:41句目~
衣更へて身辺の句のほか詠まず/安住敦「柿の木坂雑唱」