書院に関連した俳句の例をまとめました。
書院を含む俳句例
春風や書院の棚の大硯/正岡子規
鴬や書院の雨戸走る音/服部嵐雪
恋人と書院に語る雪解かな/泉鏡花
使者独り書院へ通る寒さかな/其角
窺ふや書院を匿す今年竹/石川桂郎
石楠花や奥書院へと長廊下/星野椿
山寺に書院を覗く桔梗かな/尾崎迷堂
掛香の書院に座しぬ風去来/大森保子
燕子花書院は池に影正し/水原秋櫻子
水仙に空気動いてゐる書院/鈴木鷹夫
国宝の書院の縁に梅を干し/清崎敏郎
木斛の実の赤らめる書院窓/高澤良一
客一人水涕すゝる書院かな/尾崎紅葉
小書院のこの夕ぐれや福寿草/炭太祇
春暁や点りしまゝの奥書院/大本正貴
蓬莱の小く見ゆる書院かな/正岡子規
鯉涼し藤樹書院の門川に/山方美智子
藤の香の通ふ南朝書院かな/笹/寿子
数へ日の書院ながらや砂の日/岡井省二
書院には何か会ある松手入/大橋越央子
俳句例:21句目~
深山の書院に住みてやもめ僧/飯田蛇笏
松陰の遺硯いかしき夏書院/下村ひろし
うぐゐすや書院の雨戸走る音/服部嵐雪
秋の蝶書院の壁に枯れにけり/高田蝶衣
この書院本を堆みたり山涼し/岡井省二
笹鳴や十能の火を書院まで/大峯あきら
筆硯の小さき黴の書院かな/大峯あきら
菊の香に灯して広き書院かな/島田青峰
使者ひとり書院へ通るさむさかな/其角
雪風や書院午ぢかく掃除すむ/飯田蛇笏
冬の蚊や書院の畳やや窪み/石垣青☆子
小書院の揚げし蔀に小鳥来る/木村蕪城
大賀蓮咲けりと書院開けらるる/赤間智子
木影濃き書院にかをる茉莉かな/那須茂竹
吉良の忌の書院に庫裏に客溢れ/米津一洋
滝を見る平氏の寺の書院かな/長谷川かな女
切り抜きの月光を置く書院の間/佐藤美恵子
八千草を咲かせ書院を開け放ち/中村日出子
虚子の世を偲ぶよすがの黴書院/石川星水女
蚊遺火の燃え尽きてゐし書院かな/茨木和生
俳句例:41句目~
書院の縁に松の花粉や掃けば飛ぶ/河野静雲