目薬に関連した俳句の例をまとめました。
目薬を含む俳句例
目薬は夜も空色猫の恋/宮脇白夜
目薬の一滴硬し春の草/小川軽舟
飲食も目薬さすも春炬燵/久力澄子
初蝶や目薬さして溺れさう/辻桃子
料峭の目薬頬を流れけり/吉田洋子
目薬をさせば夏野の大欅/野木桃花
目薬をさす頤や冬座敷/八木林之介
目薬を頬に余して春の宵/矢島仙子
目薬の一滴波郷忌が近し/鈴木鷹夫
目薬の処暑の一滴頬伝ふ/長村雄作
目薬のどれも底つく九月尽/代田青鳥
目薬のぴりりと染みて寒の明/森好文
桜南風犬に目薬さしゐたり/菅原鬨也
目薬をさし名月を滲ませる/秋山青潮
目薬をさせば水色五月来る/片山慶子
蝿帳のなか何や彼や目薬も/後藤綾子
青北風の目薬零す膝がしら/原口鬼灯
秋風の目薬をさし千里眼/中尾壽美子
新緑や目薬させば目の新た/長崎雁来子
疲れ眼に目薬しみる夕雲雀/小松崎爽青
俳句例:21句目~
目薬ではじまる天井の冒険譚/稲葉百穂
目薬をさせばくもりぬ秋の空/宮下翠舟
目薬の睫毛におちる月はじく/川口重美
目薬をさせば春愁あふれくる/高橋悦男
目薬の木の芽吹とて皆仰ぐ/阿部ひろし
目薬を注し紅葉山覚ましけり/佐川広治
目薬の一滴が外れ今日の秋/佐藤美恵子
見送りて目薬をさす帰雁かな/丸谷才一
目薬をさして辞書引く秋の夜/平沢笙一
目薬も持薬のひとつ風は秋/米澤吾亦紅
目薬さして冬も燈火に親しまねば/安住敦
目薬にふくらむまなこ養花天/片山由美子
目薬のうすももいろの寒さかな/長谷川櫂
目薬の落ちくるまでの秋思なる/内田美紗
砂漠に一滴目薬落ちて炎上す/八木三日女
目薬をさしてしばらく螻蛄の闇/丸木あや
目薬をさして虫の音透きとほる/田阪笑子
ばらりと冬星目薬をさす口あける/川口重美
目薬さす佐渡へぐらぐら落つ秋日/館さくら
目薬師の目の字ばかりの大暑かな/細川加賀
俳句例:41句目~
薔薇咲けり目薬二滴またこぼれ/河野多希女