昇降機に関連した俳句の例をまとめました。
昇降機を含む俳句例
秋の暮昇降機より配膳車/小林幹彦
昇降機花火の空へ上りゆく/丸山了
八階へ春晝遅々と昇降機/吉屋信子
昇降機けぶる氷柱のせ来る/藤田宏
昇降機城より高く日脚のぶ/石原英子
昇降機脚にまつはる吾が子呂と/篠原
朧夜の体臭のこる昇降機/黒瀬としゑ
参観の昇降機あり梅雨の城/宮武寒々
立春の一気に上がる昇降機/岩岡中正
色あふれ成人の日の昇降機/斎藤道子
啓蟄や釦で呼ぼう昇降機/町田しげき
少年の蝉鳴き出づる昇降機/山岸治子
花の夜や思はぬ客と昇降機/河野南畦
新社員交へて今朝の昇降機/高澤良一
昇降機うなじの線のこみあへる/篠原
昇降機又も軽羅の人や吐く/久米正雄
昇降機吸はれし闇のむらさきに/篠原
昇降機吸はれゆきたる坑にほふ/篠原
ひとり乗る真冬の奈良の昇降機/原田喬
初髪の残り香ほのと昇降機/渡辺/笑子
俳句例:21句目~
古書市の黴の香に開く昇降機/深谷雄大
数へ日の奈落へそそぐ昇降機/藤井照子
昇降機夏帽の人と灯り去る/池内友次郎
昇降機菊もたらせし友と乗る/石田波郷
春雨に人どこか濡れ昇降機/深川正一郎
昇降機しづかに雷の夜を昇る/西東三鬼
昇降機空で降り来し日永かな/吉屋信子
街おぼろ硝子張りなる昇降機/北元多加
さつき闇巫女あらわれる昇降機/市原正直
受験子をひとり乗せたる昇降機/横山房子
昇降機春の驟雨の音にひらく/石田あき子
煖房や扉あけてやすむ昇降機/山口波津女
昇降機来て止まりをり夜業果つ/大枝涓二
昇降機聖誕祭のとつくにびとと/山口誓子
昇降機一基はビヤガーデンのため/池田秀水
死者入れて音なし月夜の昇降機/古賀まり子
矢の如くビヤガーデンヘ昇降機/後藤比奈夫
昇降機降り玩具のピアノ鳴らす梅雨/宮武寒々