路上に関連した俳句の例をまとめました。
路上を含む俳句例
恋仇川泥暑き路上たり/三谷昭
頭なき鰤が路上に血を流す/誓子
十月の路上父の手冷たかり/三谷昭
黒猫の路上に座り良夜なる/名取鳳声
花藤に路上の風の移りけり/太田鴻村
凩や路上とびくる反古を踏む/森田峠
若者の路上芸術落葉降る/古賀まり子
寒月や路上ピエロの白化粧/仙田洋子
春しぐれ路上念なき街の鳩/林原耒井
柩車ゆく路上絡繹たる雪後/西島麥南
久女忌の路上に蹴られ厚氷/肥田埜勝美
仏だんに供ふ路上で買ひし桃/細見綾子
紅梅や夕日の影が路上を占む/大井雅人
花のごと掃きし路上の初荷屑/山田文男
歳末の路上ちらばるマッチの軸/穴井太
風光る路上の喧嘩見て過ぎぬ/原子公平
鳥取温泉路上寒烏賊売がゐて/木村蕪城
リラの風われは路上の一異物/小檜山繁子
名月も是を路上に見たりけり/相生垣瓜人
悄然たる路上の馬を雛の間より/金子兜太
俳句例:21句目~
風の子の路上スケート麦萌ゆる/関根淑子
正午が過ぎ路上の犬が泡立つよ/坪内稔典
ゴリラ路上に瞳孔という壺かかえ/井手都子
ひとたまりもなく我冴ゆる路上かな/中島月笠
ネオン射すたび詐欺めいて路上の梨/伊丹公子
玻璃の気泡路上にうつす寒夜の灯/川島彷徨子
母が路上に薄れゆくみやまおだまき/若森京子
九月になった路上で幼児のすももの耳/伊丹公子
落花澄む路上日かげと居る小鳥/飛鳥田れい無公
路上に蜜柑轢かれて今日をつつがなし/原子公平
路上ジャズ/トリオ路上の蚊遣かな/笠井百合彦
わが顔のひとり突つ切る路上寒む/飛鳥田れい無公
路上に舞ふ落葉とブエノスアイレスの雀/高澤良一
路上のこと忘れゐて菊をかぐかな/飛鳥田れい無公
<我>よりも影が木体となる真昼あまたの死体を呑みし路上に/光栄堯夫