産毛に関連した俳句の例をまとめました。
産毛を含む俳句例
大声の春の満月うぶ毛貌/和知喜八
白光を放つ産毛も袋角/出口恵美子
老体に近づく裸にも産毛/高澤良一
七月の少女の産毛金色に/芦川巣洲
全身で哭く嬰の産毛汗光る/渡辺和子
白桃に諸行無常の産毛あり/櫂未知子
子の頬と同じ産毛の冷し桃/都筑智子
水泳に灼けて女の産毛消ゆ/辻田克巳
たかんなの産毛の奥の濃紫/宮津昭彦
笛を吹く頬の産毛や風光る/角谷昌子
潤ひて産毛に満ちて袋角/林徹「飛花」
竹の子の産毛ひかりを裸にす/河野南畦
耳たぶの産毛水菜を洗ひをり/中山純子
胞衣塚に産毛のごとく薺生ふ/辻田克巳
花も葉も産毛のうちに翁草/片山由美子
野牡丹の産毛に惑う蟻の足/本成美和子
日に焦げて産毛が痒し桃と腕/宮津昭彦
早乙女の耳の産毛の金色に/福田甲子雄
春光や産毛透きたる子豚の肌/大木栄子
枝豆の産毛を口にして痩せる/大石雄鬼
俳句例:21句目~
きさらぎや産毛のいろの遠木立/中村房子
産毛持つ頭にして黒く揚羽かな/山西雅子
姫むかしよもぎや稚児の金産毛/佐藤鬼房
桃の日や老婆の鼻下の産毛密/田川飛旅子
生りものを包める産毛実梅にも/高澤良一
うっすらと産毛を生やし春の家/小南千賀子
しやぼん玉産毛に触れて全うす/岡野スミ子
ぜんまいの産毛ひかりの風の媚び/河野南畦
吹かれ来て産毛ほどなる子蟷螂/片山由美子
小豆揉むうぶ毛の生ふるもの思ひ/田中裕明
予感とは桃の産毛のそよぐとき/赤田まどか
キウイ転んで輝くうぶ毛/誕生日/伊丹啓子
産毛まだ濡れゐる仔馬立ち上る/草薙津奈子
うぶ毛ありて温室の花呼吸しぬ/長谷川かな女
うぶ毛剃るや秋風樹々を吹いて居る/長谷川零餘子
産毛とれしままの野鵐の飼はれけり/飛鳥田れい無公