頭蓋に関連した俳句の例をまとめました。
頭蓋を含む俳句例
聞くうちに蝉は頭蓋の内に居る/篠原
うちつけて卵の頭蓋割る晩夏/皆吉司
秋天に独逸の頭蓋穹窿なす/川崎展宏
百頭の馬の頭蓋に寒北斗/渡辺誠一郎
夾竹桃頭蓋蔽ひて髪しげる/野澤節子
萍の一つは頭蓋のなかに浮く/枇杷男
春の鬱深きピアノの頭蓋閉づ/馬場駿吉
汗の髪洗ふ頭蓋も痩せにけり/相馬遷子
流れ星頭蓋のひびは罅のまま/鎌倉佐弓
秒針が頭蓋に移るひろしま忌/松本鶴枝
野薊を潰して頭蓋を楽にせん/攝津幸彦
雨漏りのわが頭蓋あり杉菜原/佐藤鬼房
風沙漠頭蓋を離れゆく骨ら/小檜山繁子
初み空頭蓋のなかも透き通る/福原十王
春の猫我に倚り来る固き頭蓋/右城暮石
あかんぼの頭蓋やはらか雪起し/辻美奈子
万緑やはづしてしまひたき頭蓋/吉原文音
傘売りにたまたま頭蓋応じけり/攝津幸彦
寒卵こつと頭蓋に打ち込めり/小檜山繁子
柿の花地に落ち侏儒の頭蓋なる/佐藤鬼房
俳句例:21句目~
昆虫の頭蓋ころがるガラスの城/加藤青女
焼藷屋頭蓋となりてこちら向く/田仲了司
髪洗ひ頭蓋が小さし旅づかれ/殿村菟絲子
手形振り出し頭蓋の中の磯あるく/西内利行
職工の子の頭蓋みな似て跳べり/石橋辰之助
西の海にブイ浮く頭蓋より濡れて/金子兜太
頭蓋いま蝶を容れたるつめたさよ/柿本多映
きらきらと頭蓋を出づるてんと虫/加藤知世子
キャベツに怖る畸形の頭蓋原爆忌/川辺きぬ子
落葉松の枯れて頭蓋のがらんどう/殿村菟絲子
頭蓋のくらやみ手に寒燈をぶらさげて/富澤赤黄男
すつぽりと毛帽を冠る生ける頭蓋を感じ/安斎櫻カイ子
となりて父還りこよ蒼蒼とわれの頭蓋はいつの日も海/金子貞雄
冷たき重き夫の頭蓋を支へたりいのちの熄みし重き頭蓋を/生方たつえ