痰に関連した俳句の例をまとめました。
痰を含む俳句例
白露や痰症持の老納所/河野静雲
神農の痰切飴の御裾分/佐々木六戈
痰はきに痰のたまるや冬籠/正岡子規
麦秋や妻の血痰火の如し/小川原嘘帥
春寒く痰の薬をもらひけり/正岡子規
貧乏に痰のからまる寒さ哉/会津八一
颱風や痰のこそつく胸の奥/日野草城
咳きて痰落す冬青き松の群/岩田昌寿
痰の深さ発きて蠅の跳梁す/斎藤空華
この身このまま花冷の痰地獄/石田小坡
十薬に痰のからみし刻来たり/萩原麦草
咳けば痰硝子一枚だけ新し/榎本冬一郎
痰吐けば血のまじりたる暑哉/正岡子規
痰増えてやふやく中夏旦半ば/斎藤空華
笑はむとせし顔寒く痰つまる/岸風三樓
絲瓜咲て痰のつまりし佛かな/正岡子規
痰一斗絲瓜の水も間にあはず/正岡子規
障子に蝶血痰の喉こそばゆく/川口重美
痰コップ凍てしを誰に訴へむ/石田波郷
冬の痰三日月形に踏みにじる/田川飛旅子
俳句例:21句目~
期して喀く血痰一日一日梅雨/千代田葛彦
濁つた痰の如く開けり昼花火/田川飛旅子
痰を喀く闇赤光の蛾の眼あり/千代田葛彦
貰ひ食ひの三ケ日暮れ痰つゝむ/岩田昌寿
冬さうび切れてはくれぬ母の痰/山口都茂女
短夜やわが咳けば波郷痰を喀き/赤城さかえ
痰といふ子規の文字をまつりけり/京極杞陽
購ひ足せし痰切飴や大石忌/七田谷まりうす
雪雲に痰つまりたる見る悲し/長谷川かな女
鹹き痰を嚼みつつ風邪に耐ゆ/竹下しづの女
明け方の痰わびしめばちちろ殖ゆ/千代田葛彦
マラソン通過痰ぬらぬらと操短地區/鈴木六林男
地虫耳朶に憑くや刻々に痰つまる/赤城さかえ句集
痰切れず切らねば生き得ず汗し喘ぐ/赤城さかえ句集