名を忘れに関連した俳句の例をまとめました。
名を忘れを含む俳句例
空腹や人の名忘れ青蛙/井上末夫
貰ひたる干の名を忘初/茨木和生
今しがた聞きし茸の名は忘れ/占
神の名を一つ忘れし宝舟/高木青二郎
子供の名忘れし母の手毬唄/西浦一滴
山の名を聞いて忘れぬ春の雲/大串章
子に蒔かせたる花種の名を忘れ/安住敦
岳の名を忘れて春の畦をゆく/友岡子郷
島の名はいくつか忘れ夏朝日/和知喜八
暖かやこの人の名を忘れゐる/永井龍男
片仮名の名はすぐ忘れ室の花/松本泰志
花の名を聞いて忘れて花野行く/町春草
名を忘ぜし人も話題に年忘れ/星野恒彦
貰ひ来て名を忘れたる菌かな/松藤夏山
堂の名はみな忘れたり春の風/正岡子規
おのが名を忘れて山の眠りをり/栗原稜歩
ししうどや山々の名をまた忘れ/矢島渚男
人の名は忘れ易くて蚯蚓鳴く/小池喜代子
元の名を忘れて呼ぶや秋のかぜ/水田正秀
已が名を忘れるほどに虫の鳴く/犬塚了史
俳句例:21句目~
山の名を聞くより忘れとろろ汁/後藤兼志
夏料理貝の名訊いて忘れけり/星野麥丘人
竹馬にのぼりて忘る総理の名/宇多喜代子
母の名を忘れてゐたり氷点下/鳥居美智子
君の名をはたと忘れた咳をする/竹崎奇山
野遊びの山の名聞きてすぐ忘れ/今瀬剛一
銘酒の名忘れてゐたる落葉かな/石塚友二
雨月なり王の名忘れたるように/対馬康子
わが名は忘れられ旅人木鳴響め/小川双々子
人の名を聞いて忘れて水澄めり/坂東ユキ子
名を惜しむこと忘れ春惜しむかな/上井正司
紅葉の湖のさかなは食べて名忘れぬ/林原耒井
芽ぶきゐる木の名ききしが忘れけり/川島彷徨子
涼しく女の名聞いて忘れて女と居る/荻原井泉水