原稿用紙に関連した俳句の例をまとめました。
原稿用紙を含む俳句例
六月の雨の原稿用紙かな/皆吉司
鴎見て原稿書いて置炬燵/鈴木鷹夫
元旦の一字も置かぬ原稿紙/神蔵器
鰯雲原稿用紙埋めしごと/山田弘子
原稿の余白数行朝の蝉/藤田あけ烏
原稿の枡目と庭の朝顔棚/高澤良一
原稿紙ペンの遅速に遠蛙/吉屋信子
原稿紙冬夜踏切は明るすぎ/中拓夫
原稿も夢も累々たる九月/折井紀衣
原稿紙白し蝉声波紋なす/野澤節子
浄書して原稿渡す百間忌/森田公司
原稿紙の枡目二百に夜の秋/河合澄子
原稿紙机上に白く夏至る/山口波津女
原稿紙蜘蛛の透明な粒這えり/三谷昭
鵙もいて雀のこえの原稿紙/和知喜八
原稿に降りし羽蟻に迫る指/高澤良一
原稿をせかされ天皇誕生日/夏石番矢
放屁虫原稿や桝はみいだす/石川桂郎
秋の暮原稿用紙切らしけり/石川桂郎
ペンうれしペン始め黄の原稿紙/不死男
俳句例:21句目~
妻も使ふ原稿用紙どこも秋/加倉井秋を
春昼を遅々と字を生む原稿紙/吉屋信子
水かぶりては原稿に対ひけり/長谷川櫂
原稿の一枡一枡/つづれさせ/桑田和子
原稿用紙の線の交はり燕来る/濱田のぶ子
原稿紙とまりし蠅は打たで置く/吉屋信子
新樹照るや罫こま~と原稿紙/大谷碧雲居
書きかけて去年今年なき原稿紙/吉屋信子
書初めといふもあはれや原稿紙/吉屋信子
熟れて落つ春日や稼ぐ原稿紙/秋元不死男
原稿は手で書くゆふべ水打つて/黒田杏子
書きかけの原稿置きて去年今年/吉屋信子
原稿はまだかまだかと笹鳴くや/芥川龍之介
馬駆ける寒気ひろげて無垢の原稿紙/寺田京子
羽子を買はんと師走原稿書くなりし/長谷川かな女