梵字に関連した俳句の例をまとめました。
梵字を含む俳句例
宝扇の真言梵字梵網会/橋本鶏二
高野山祭提灯にも梵字/稲垣芳子
仏恩の梵字賜はり大根焚/佃/郁子
冴返る梵字一字の崩れ仏/小林勇一
梵字書く鳥の足あと冬渚/渡辺恭子
秋風や梵字を刻す五輪塔/夏目漱石
結界に泳ぐ孑孑梵字なす/品川鈴子
金水引終の町石梵字跳ね/田中水桜
新年ノ鏡ニ梵字ノ雨ガ降ル/夏石番矢
凍鶴の梵字の如くたてるかな/龍岡晋
収筆に露の涼しき梵字石/中戸川朝人
墓涼し五輪の梵字読めずとも/上村占
梵字川石まろやかに竹の秋/相蘇好子
夏闇に梵字ただよふ風葬趾/丸山哲郎
梵字みな飛天のごとし初嵐/秋山朔太郎
かの世への梵字の手紙雁渡る/坂本宮尾
供養碑の梵字つやめく杏花雨/湯浅晴見
曼珠沙華流せば水に梵字書く/三好潤子
揺るゝ燈に梵字の女体五月闇/宮武寒々
梵字川虹の残り根ゆらぎ立ち/岡田日郎
俳句例:21句目~
秋寂や享けし朱印に泛く梵字/須加金男
秋雲と墓の梵字と風のすぢ/岩淵喜代子
空蝉の背に刻めるは梵字とも/高澤良一
雪虫や梵字ぎくりととどまれる/松澤昭
風蘭の花が梵字を覚えたる/後藤比奈夫
枯れざまの梵字でもなし玄圃梨/今井妙子
いもり棲む女人高野の梵字池/内出ときを
梵字めく斑のあり黄なる盆の月/福田蓼汀
さいかちのあまたの莢の梵字めく/太田嗟
吹きあげて梵字たちまち花の色/白澤良子
梵字板しづかに灼くる蓮華峰寺/仲川康子
沙羅落花大地に梵字こぼすかな/大橋敦子
燈照らして梵字曼陀羅冷やけき/臼田亞浪
梵字かく聖護院大根山積みに/松本みず代
墓餘寒一字梵字を彫りしのみ/久保田万太郎