指紋に関連した俳句の例をまとめました。
指紋を含む俳句例
初蝶を放つや羽にわが指紋/大関靖博
不覚にも指紋残した月球儀/内田利之
手鏡の指紋浮きでて雪ふらす/桂信子
電卓に指紋幾千秋ふかむ/松倉ゆずる
わが指紋冬の泉に残しけり/坂本宮尾
みえねども指紋あまたや種袋/小宅容義
ハツカーの浮遊の指紋不眠都市/森洋彦
玻璃に亡き母の指紋や朝ざくら/中拓夫
百歳に遠しガラスの指紋拭く/高澤晶子
砂漠の家族/ガラスに指紋/高橋比呂子
硝子戸に指紋五月は悪の季/加倉井秋を
軍用機漁師の指紋消してゆく/金城けい
針供養崩れ指紋の手を合わす/中村竹子
壁に残す指紋/逃亡できずして/江里昭彦
寂寥の指紋べたべた雲はしろし/藤木清子
思い出せぬ初夢窓ガラスに指紋/池田澄子
昼の電球指紋と冬の窓うつる/田川飛旅子
桑摘みの籠を溢れている指紋/平井久美子
極月や指紋のコップ水切れず/河野多希女
百千の指紋の躍る書を曝す/竹下しづの女
俳句例:21句目~
石切りの指紋なき日々蝦夷菊咲く/小田保
鍵板打つや指紋鮮かに夏埃/竹下しづの女
指紋みな流れ出したる大暑かな/佐藤成之
つままれて紙は指紋となりにけり/大石石仏
わが指紋とどめはるかへ黒揚羽/片山由美子
凍蝶か指紋いちにち孤児と呼ばれ/川本洋栄
愛や身にくまなくゆきわたる指紋/江里昭彦
あたたかや指紋ぺたぺた卓につく/川島彷徨子
梅雨あけや玻璃戸にのこる子の指紋/玉城一香
生きる場固めん眼鏡に冬の指紋を拭き/磯貝碧蹄館
鍵盤の指紋拭かれず……coup/d’Etat近し/江里昭彦
亡き母の位牌の裏のわが指紋さみしくほぐれゆく夜ならむ/寺山修司