鉄扉に関連した俳句の例をまとめました。
鉄扉を含む俳句例
花吹雪旧予科練の鉄扉/岩田一止
三椏や英国大使館鉄扉/佐藤鬼房
回教の鉄扉の固し十二月/森田峠
銀行の鉄扉の前に草の市/近藤弘子
無人燈台鉄扉鉄鎖の冬の色/宮慶一郎
守衛鎖す宵の鉄扉や冴返る/慶伊邦子
蜂の巣や鉄扉を閉づる葵門/秋田卯子
輪飾を鉄扉に掛けて堰守る/岩永草渓
雪来るか鉄扉の結露地に滲み/岡本眸
音立てて鉄扉下り来る雛の前/岡本眸
水門の鉄扉をかすめ夏つばめ/田口紅子
三越の鉄扉小暗しほたる買ふ/石橋秀野
十五夜の工場鉄扉とざしたる/菖蒲あや
大試験重き鉄扉を押し開く/栗田やすし
金借りに鉄扉重しや夏至の雨/巌谷小波
つづれさせ鉄扉に錆の深まりぬ/村山百代
暗い鉄扉が砂塵舞い立つ夕日の前/三谷昭
鉄扉開けば甘藍ずらり玉結ぶ/八木三日女
鐵扉たやすく重く開きぬ花石榴/百瀬美津
長き夜の鉄扉細目に誰がために/中村汀女
俳句例:21句目~
鉄扉すく樹々あをぐろく夏の花卉/飯田蛇笏
ロンドンや蔦に埋もるる鉄扉錆び/野中亮介
坑内に入る鉄扉を押せば秋の風/成瀬正とし
火葬の鉄扉蟻一匹も容れられず/小檜山繁子
エリカ咲き鉄扉をひらく異人墓地/渡辺立男
ノックしてまがある鉄扉夜の凍て/飯田蛇笏
鉄扉して図書と骸の歳と棲む/竹下しづの女
黒揚羽もつれて鉄扉くぐりけり/ふけとしこ
書魔堰いて書庫の鉄扉が生む朧/竹下しづの女
海からの東風まつ鉄扉ひらかれて/倉田しげる
狂ひて冷ゆる鉄扉を前の尾のいのち/高柳重信
散るさくら白馬は鉄扉噛みにけり/鍵和田ゆう子
鉄扉して大岩がねの氷室かな/阿波野青畝「国原」