荒壁/粗壁に関連した俳句の例をまとめました。
荒壁/粗壁を含む俳句例
赤蕪を吊る粗壁に荒莚/角川春樹
粗壁を貫く筧紙を漉く/谷口雲崖
荒壁に霊通る隙隙間風/加藤水万
涼しさ荒壁落つる竹の風/正岡子規
碁丁々荒壁落つる五月雨/正岡子規
秋日沁む一茶終焉の荒壁に/益田清
荒壁に黴の華殖ゆ十三夜/近藤一鴻
粗壁に裸灯淡し紙を漉く/山田和子
粗壁のらくがき暮るる花菜村/春樹
暮の秋荒壁を日が歩くなり/田中冬子
荒壁に日の差してゐる薄氷/桑原三郎
荒壁に虻狂ひをる西日かな/富田木歩
荒壁をしみ出る煙かかる梅/福田蓼汀
新樹透く夕陽や奈良の粗壁に/桂信子
粗壁に夕日が射して甘藷煮ゆる/柏禎
粗壁に蓑ひとつ吊る鵙日和/橋本榮治
芋がらを吊りて荒壁年経たり/笠原古畦
荒壁に煙草干したる山家かな/水落露石
荒壁に萱の束をば立てかけし/大石暁座
荒壁の如蜘蛛の囲の立つてをり/上野泰
俳句例:21句目~
荒壁の西日に掛けて煙草かな/村上鬼城
粗壁に生れて吉備の黄蝶なり/宮津昭彦
粗壁の土蔵に止まる鬼やんま/桑田明子
粗壁や青麦の穂をくはへつつ/小池文子
荒壁や柚子に楷子す武家屋敷/正岡子規
死の姉がこの荒壁の中にある/石橋辰之助
白鳥消ゆ荒壁の中にギターと星/和田悟朗
粗壁に夕顔咲かせゐたるかな/加藤三七子
赤とんぼたちゆけり粗壁と空/千代田葛彦
荒壁へわざとしからぬ干菜かな/小杉余子
荒壁のぶよぶよとせる雑喉寝かな/茨木和生
すいつちよが鳴く粗壁の匂ひけり/清崎敏郎
粗壁に月のしみ入る韻とおもふ/富澤赤黄男
粗壁のぶよぶよとせる雑喉寝かな/茨木和生