馭者に関連した俳句の例をまとめました。
馭者を含む俳句例
傘さして馭者鷹揚や夏の雨/奈良鹿郎
沖遠く穂麦流るる馭者の夢/小川軽舟
砂糖黍積みて水辺に馭者憩ふ/大串章
鰯雲赤き下着を馭者は干し/中烏健二
むちうちて馭者喫驚す秋の蛇/飯田蛇笏
女馭者髪なびくなる白夜かな/岩崎照子
弓手あげ星流れしと橇の馭者/成瀬正俊
橇の馭者坂も老馬に鞭打たず/小島左京
橇馬に荒鞭くれて馭者酔へり/田村了咲
胸隆き皮ジャンパーの女馭者/鷹羽狩行
野戦重砲馭者日の下に馬臭き/細谷源二
間借りして馭者の自炊や枯柳/吉田冬葉
高粱の高荷がくれに馭者の鞭/角/菁果
公園の馭者なき木馬月おぼろ/谷井野武士
干草に馭者寝て鞭を鳴らしけり/日野草城
息白く近づく馭者の馬車に乗る/田村了咲
星空へたちあがりたる橇の馭者/成瀬正俊
花南瓜馬車の世馭者の世は遠し/鷹羽狩行
集めたる駱駝の陰や馭者昼寝/鷲澤喜美子
馭者の打つ綱の艶出て水鶏の眼/吉田紫乃
俳句例:21句目~
馭者の鞭灼くる大地を打てりけり/森田峠
馭者若し麦笛噛んで来りけり/水原秋櫻子
山高帽の馭者がゐて源五郎がゐて/古館曹人
春眠の馭者を荷にして馬車もどる/大島民郎
酒場の灯ゆびさし笑ひ橇の馭者/成瀬正とし
馭者あふぐ見れば寒雁わたるなり/皆吉爽雨
馭者の目が馬にきびしい秋の暮/宇多喜代子
馭者遂に立ちて鞭うつ吹雪かな/加藤蛙水子
夜橇駆る馭者若ければつつたてり/成瀬正とし
町中にのこるトロイカ馭者老いたり/田村了咲
蟷螂は馬車に逃げられし馭者のさま/中村草田男