甲虫に関連した俳句の例をまとめました。
甲虫を含む俳句例
甲虫来る冠座傾かせ/中戸川朝人
山の子のひとり遊びや甲虫/原勲
高山の朝市甲虫も売る/山田無吾
朝の戸の甲虫父亡びしに/友岡子郷
死してなほ兜脱がずか甲虫/林昌華
甲虫入荷と貼られ小鳥店/山田弘子
甲虫月夜つづきて土堅し/友岡子郷
甲虫放つて人は遠目かな/宮崎光治
甲虫角もてあます篭の中/山下美典
鍛えたる角いつ使ふ甲虫/高澤良一
動くときかすかに甲虫匂ふ/鈴木鷹夫
孫を呼ぶ楽しみにとる甲虫/吉田きみ
甲虫の模型大きく避暑の家/堀口星眠
甲虫死して櫟となりにけり/橋本喜夫
甲虫這はせ宿題はかどらず/中村房子
艦の灯に突撃したる甲虫/畑中とほる
甲虫思ひはいつも出奔す/新谷ひろし
たたかへる匂ひはげしき甲虫/飯島蘭風
ひっぱれる糸まっすぐや甲虫/高野素十
炭山の子の別れにもらふ甲虫/小原良枝
俳句例:21句目~
甲虫硬き身にして子を殖やす/鷹羽狩行
甲虫闘ひながら売られけり/前田野生子
緑蔭踏みしだく山靴は大甲虫/宮津昭彦
花散つてもとのカフカの甲虫/鈴木公二
晩夏少年抱けば甲虫の皮膚感/高野ムツオ
田植機の甲虫めきて進みゆく/鈴木アツ子
甲虫眠らず妻と飛行の木立かな/白井重之
除草器を担い甲虫のごとくなる/金子兜太
甲虫たゝかへば地の焦げくさし/富澤赤黄男
甲虫の雌雄かちかち触れにけり/榎本冬一郎
甲虫非凡の力手に応ふ/相島虚吼「虚吼句集」
甲虫しゆうしゆう啼くをもてあそぶ/橋本多佳子「紅絲」