廃船に関連した俳句の例をまとめました。
廃船を含む俳句例
廃船にあつまる鴉受難週/下田稔
廃船の竜骨白き草紅葉/行方克己
廃船の肋に冬日執着す/井上禄子
廃船の錆盛り上る雪催/森藤千鶴
廃船の深坐りして十二月/秋光泉児
秋風や廃船になほ胸の張り/大串章
廃船にも同じ白波海びらき/鈴木鷹夫
廃船に棲む船虫はよく走る/高橋弘道
廃船に浜草青みわたりけり/石田波郷
廃船の釘に吊され鯊の籠/木村里風子
廃船を冬の怒涛の愛し方/横田佐恵子
廃船を焼くあかき闇曼珠沙華/石寒太
被爆せし廃船眠る雪の果/相河美智子
廃船に波のつぶやき夜光虫/遠藤若狭男
廃船のたまり場に鳴く夏鴉/福田甲子雄
廃船のなほ沖を向き鳥ぐもり/矢島久栄
廃船の影に初鴨来てをれり/木村里風子
廃船や奥能登秋のゆきどまり/岡本恭子
干潟見え廃船河にくつがへる/水原秋櫻子
廃船に日ざしまぶしく九月果つ/杉本苑子
俳句例:21句目~
廃船に鳴かざる鳥のきて羽摶つ/細谷源二
廃船のわづか軋むは凍らぬため/鈴木鷹夫
廃船の凍て屯ろせり宿の前/阿部みどり女
男鹿に冬ふかむ廃船壊ちつゝ/能村登四郎
からし菜の花に廃船よこたはる/阿波野青畝
廃船に向き合ひてゐる日向ぼこ/寺島ただし
廃船の景色見に来てゆふやけたり/細谷源二
沖に廃船腋下剃りたる身のだるさ/岸風三楼
廃船に誰があはれぞも注連かざり/篠田悌二郎
廃船攻める青葛が沖奏でおり/赤城さかえ句集
貝料理店から見る廃船の今日の翳り/伊丹公子