廃屋に関連した俳句の例をまとめました。
廃屋を含む俳句例
廃屋に薪高々と夏薊/小泉静子
十月の大廃屋に雲離離と/下村槐太
廃屋の島に八十八夜来る/田村恵子
廃屋の蔵崩れずに桐の花/茨木和生
廃屋は誰かの生家烏瓜/和田耕三郎
廃屋を実家と指せり山桜/茨木和生
廃屋を貫くみどり今年竹/市川翠峯
木守柿熟るる廃屋一揆村/小原山籟
その先に蜑の廃屋灯台草/町田しげき
廃屋と思ひしが紙漉く音す/今瀬剛一
廃屋のかたくりの花今盛り/黒木芳子
廃屋の影大きさよ十三夜/馬場移公子
廃屋の春は恋しき空気かな/柿本多映
廃屋の藤過去の少年和解せず/仁平勝
廃屋もう何も起らず草の絮/小宅光子
柚子光る養鶏小屋は廃屋に/櫻井満子
大根を干す廃屋の軒を借り/猿橋統流子
廃屋の八月くらき啄木鳥の音/中島斌雄
廃屋の土間を割りたる夏蓬/亀上三千代
書架立てて寒廃屋に人向ふ/下村ひろし
俳句例:21句目~
耿として廃屋の上を鳥渡んぬ/北原白秋
ちちろ減り廃屋めきしわが書棚/宮坂静生
廃屋にあらず茄子苗植ゑてあり/岡田日郎
廃屋にコーモリ傘が吊られている/穴井太
廃屋に在りし日のまま藤垂れぬ/岡田透子
廃屋の合歓の花のみ濃かりけり/柏/淳一
廃屋の家霊の咲かす罌粟ならむ/嶋田麻紀
枇杷の花咲き廃屋となりてゐし/高橋正忠
廃屋のあはれはこぞる梅雨の茸/下村ひろし
廃屋そこここ島の鶯うるさいほど/伊丹三樹彦
花馬酔木精いっぱい生きても廃屋/鷹羽五美子