前世に関連した俳句の例をまとめました。
前世を含む俳句例
抱擁し前世を鶴と疑わず/山下正雄
前の世は刈草かわく匂ひかな/龍太
蛤殻に前の世を鳴く友雀/正岡子規
前世は水なり焚火よく爆ぜる/穴井太
思ひやるおのが前世や冬籠/正岡子規
放蕩やビルに前世の落花生/攝津幸彦
足引きの山師前世は真虫とも/仁平勝
前の世も桜紅葉も昏れなづむ/秦夕美
前世は第三間氷期にいたような/流智明
前世より淋しく生きて鴨足草/伊藤通弘
晩鳥の前世の匂ひもて飛べり/大木孝子
狸すぐ隠れ前世紀ホテルの鍵/伊丹公子
前の世も女なりしよ星祀る/加藤三七子
リラリラと前世からの射精かな/加藤郁乎
炎天や前世のやうに異国を過ぎ/桑原三郎
獅子を狩る男でありし前世かな/和田悟朗
金雀枝に前世のごとき記憶あり/平井照敏
魚なりし前世に呼ばる落葉川/鳥居美智子
前の世もその前の世も飛ぶ蛍/大峯あきら
前世とはどのあたりかと蛇穴に/岸本マチ子
俳句例:21句目~
前世にてながめし野焼かもしれぬ/岸田雨童
湯豆腐や虚子の世といふ前世あり/三森鉄治
聴きなれしピアノの底の前世かな/田中信克
木の實くふ我が前の世は猿か鳥か/正岡子規
前世にも日向ぼこりに飽かざりし/相生垣瓜人
妻となる前世のけぶれるははきぐさ/筑紫磐井
前世より煮〆めてゐたる牛蒡かな/たむらちせい
前世は竜でありしと蚯蚓言ふ/高田風人子「明易し」