くだものに関連した俳句の例をまとめました。
くだものを含む俳句例
春しぐれ果物籠を抱へかね/久米正雄
春浅くくだもの折の移り香す/宮武寒々
夜はジャバの果物を反芻する/藤後左右
果物の籠重い夏夜の風落ちた/喜谷六花
果物舗雨月の光りさしそひぬ/飯田蛇笏
湯の戻り果物買ふや夏の雨/高橋淡路女
酸つぱさが夏の果物重なる喪/北野民夫
青梅をかきはじめなり果物帖/正岡子規
初糶の果物の香にむせてをり/山田/渓舟
果物の禮夏帽の裏見つゝいふ/廣江八重櫻
果物を水菓子と言ひき父の日来/須川洋子
果物屋開店光ばかりの野の隅に/伊丹公子
雪どけ光る風に果物店突きだす/大橋裸木
くだものにけだものになれ壁打つ恋/島津亮
くだもの屋九月の空となりにけり/友岡子郷
草くだもの草屋に活けて文化の日/手塚美佐
薄暑の航籠のくだもの減らしつつ/友岡子郷
風船赤し子はくだものの匂ひして/成田千空
水に沈めておく雛の夜の果物ナイフ/田邊香代子
風邪がぬけるくだものを噛む顔汚れたる/瀧井孝作
俳句例:21句目~
左ぎきの果物むく手を女に見られてゐる/大橋裸木
土の器にて地のうるはしきくだものを盛れ/内島北朗
船をあがりて夜街あかるき果物に見とれて寄る/大橋裸木
店さきの果物が月に濡れてるはつきり夜が更けてる/大橋裸木
たけなわの秋の果物を食うべつつ女とふかむ夜を伴にせり/晋樹隆彦