方位/に関連した俳句の例をまとめました。
方位/を含む俳句例
円湖凍てゝ方位東西相隣る/草田男
方位盤霧に閉ざせし山記す/田口圭
木星の熱ある方位父歩む/齋藤愼爾
鉛筆が倒れる方位黒揚羽/対馬康子
風花に方位定めし風見鶏/赤尾恵以
鷺草の花の窺ふ方位かな/後藤夜半
六月の遠嶺引き寄せ方位盤/今井嘉子
方位盤富士指す彼方鳥渡る/山田節子
真夜起きて方位疑ふ岳の月/福田蓼汀
祖国遠し方位の果の雲の峰/皆川白陀
雁渡し指もてたどる方位盤/伊藤京子
霜の花一気に拭ふ方位盤/丸山美奈子
風の斑に方位失う花吹雪/永田タヱ子
向日葵立つ方位未確の山の上/山口誓子
方位なく光陰とどまり冬木立/福田蓼汀
方位盤眠れる嶺々の名を記す/大橋敦子
東京の木枯にたち方位なし/福田甲子雄
ほうたるにほうたる方位無尽蔵/柚木紀子
実石榴は西の方位の守りなり/大野和加子
山藤をくぐりて方位やや狂ふ/橋本美代子
俳句例:21句目~
方位盤にハワイ/タヒチや冬岬/嶋崎茂子
方位盤指す山すべて雪嶺なる/村木海獣子
阿蘇五岳方位を変へてゐし花野/中村田人
國男生家に方位違えてかなかな啼く/伊丹公子
田が植わり方位やさしくなりにけり/野澤節子
風死してこめかみに来る日の方位/深谷雄大「白瞑」
方位なき暗闇のなか寝返ればうゐのおくやまゆめ揺れにけり/高野公彦