インクに関連した俳句の例をまとめました。
インクを含む俳句例
夕刊のインクの中の福禄寿/曾根毅
春愁や薬臭に似し青インク/土生重次
春昼のわたしは古いインク壺/山口剛
熱帯夜万年筆のインク漏れ/柴田奈美
秋思やや水に一滴青インク/河野弓子
インク壜淡く蜘蛛の死遠からぬ/金子晉
インク消もちひし文や鷽の鳥/石川桂郎
五月来る夜空の色のインク壺/成田千空
寒光や貧棒日記インクのしみ/細谷源二
春は何か遠くてインクすぐ滲む/岡本眸
朧夜や青いインクで手紙書く/大坪芙美子
雪の夜のインク瓶より海の音/高野ムツオ
インク乾くごとく人去る鵙の秋/四ツ谷/龍
インク壺舐めたる蠅が飛びめぐる/右城暮石
壷白くインクは冬の灯を吸へる/富澤赤黄男
少女かなし肘にインクをつけて夏/岸風三楼
梅雨寒やインクは碧と決めている/川崎洋子
爪深くインク浸みをり多喜二の忌/鈴木智子
暑中見舞阿諛もて書きしインク滲み/大野悠子
秋の夜やインク足したるインク壺/鈴木真砂女
俳句例:21句目~
長き長きインクリボンや銀河まで/正木ゆう子
まいにち雨なすびの色のインク欲し/正木ゆう子
コンクリートにインク乾ける五月憂し/上野さち子
手さぐりてインク匂へる霜夜かな/『定本石橋秀野句文集』