天鵞絨/ビロードに関連した俳句の例をまとめました。
天鵞絨/ビロードを含む俳句例
筍の天鵞絨の斑の美しき/風生
硝子戸に天鵞絨の如虫の闇/茅舎
水晶を包む天鵞絨山眠る/朝吹英和
膝頭すべる天鵞絨縫初す/山田弘子
虻の王黒天鵞絨を纏うたり/富安風生
トランプす帷天鵞絨に冬の星/宮武寒々
ビロードの夜会服つけ大蛾来/前田普羅
大正やわが天鵞絨の冬帽子/文挾夫佐恵
寒鯉雄々し黒天鵞絨の座布団も/草田男
花時の闇天鵞絨のごとき露地/宮武寒々
初花にまだ天鵞絨の夜具の襟/布施伊夜子
天鵞絨の地味へ大根蒔きにけり/坂巻純子
水揚げの鮟鱇ビロード光りせり/高澤良一
ねんねこの衿は天鵞絨夕日の野/岡本まち子
春の日は天鵞絨に褪せ玻璃に歪み/右城暮石
歯朶刈るや天鵞絨色のわたつうみ/各務耐子
天鵞絨の契りカザノヴァ家の遠乗り/加藤郁乎
茶天鵞絨かなぶんひっくり返りけり/高澤良一
今朝より冬黒ビロードのかがやく足袋/古沢太穂
妻の愛情の如苔寺の苔やわらかにビロードに/橋本夢道