着膨れ/着脹れに関連した俳句の例をまとめました。
着膨れ/着脹れを含む俳句例
着膨れて柔剛二心闘はす/川村紫陽
朝市の女早くも着膨れて/河本好恵
着ぶくれて面魂の出来上る/大牧広
光負ふ雲の如くに着ぶくれて/奈良碧
着膨れてじっと一日家の中/高澤良一
勲章を宝に夫の着ぶくれて/添野光子
着膨れて母読む三代烈女伝/川村紫陽
着膨れて山王さんに頼み事/高澤良一
幸福に初雀より着ぶくれて/富安風生
着膨れて敬老の日の俄寒/水原秋櫻子
話上手頷き上手着ぶくれて/崎浜光子
患者皆着膨れ病院狭くする/高澤良一
着ぶくれて神の姿に近くなる/大牧広
着ぶくれて建国の日を肯ぜず/轡田進
着ぶくれて来し松島の保育園/皆吉司
着膨れし体内深く胃痛む/松本たかし
着膨れて解説雪村贔屓かな/高澤良一
桑も瘤着ぶくれて皆夜祭へ/荒井正隆
砂取節唄ふ翁の着ぶくれて/坂/北濤
着ぶくれの髭の奏者も服務員/石寒太
俳句例:21句目~
路傍仏人も着膨れ来る日向/村越化石
着ぶくれの女車掌や春浅き/島田青峰
着ぶくれて鳩に驚く男かな/岸本尚毅
着ぶくれて震災砂漠歩きけり/本橋節
着ぶくれて裸祭を遠巻きに/木田畦花
着ぶくれてわが潮騒を葬りぬ/櫂未知子
着ぶくれて朝の村人楔形文字/児玉悦子
着ぶくれて更に旅券は胸の奥/大島民郎
着膨れて亀女房と言ひつべし/加賀東鷭
着膨れて体重計に近寄らず/水原秋櫻子
着ぶくれて強情/頑固/石頭/西宮/舞
着膨れて唯唯診察待つばかり/高澤良一
着ぶくれて四方山話母も好き/行方克己
着膨れて心臓外科に繋がれぬ/高澤良一
着膨れて書店の中が祭めく/岩淵喜代子
買ひ忘れ着ぶくれ走る歳の末/谷垣愛子
着ぶくれて噂話を躱し得ず/間宮あや子
女坂をんな同士と着ぶくれて/松村多美
着膨れて海豹の貌してゐたる/長谷川櫂
着膨れて矢面に立たされてゐる/角光雄
俳句例:41句目~
着膨れて籤運恃むこともなし/石塚友二
おどろきて銀婚夫婦着膨れぬ/細川加賀
着膨れて財布まさぐる一患者/高澤良一
初弥撒やわが魂は着ぶくれて/攝津幸彦
貫禄てふ着ぶくれのありにけり/堀政尋
着ぶくれて善人なれど茹玉子/吉田素糸
着膨れて客のひとこと聞き逃す/塙ひさ
着膨れの田の神様へ藁燃やし/紺/良造
着ぶくれて拓のやうな影は誰/櫂未知子
着ぶくれを一時預けに搭乗す/井村育子
着ぶくれや風の如くに二タ葬/村越化石
にこにこと断り上手着膨れて/川村紫陽
着ぶくれの童に飴の匂ひかな/松崎幸子
着ぶくれて合唱団の中にゐる/大石雄鬼
百貨店めぐる着ぶくれ一家族/草間時彦
着脹れて休日あっけなく終る/伊藤柳香
着ぶくれて受く警策の鈍き音/尼崎たか
着ぶくれの満身打ちし産声よ/細川加賀
着ぶくれの手足短く両手に荷/嶋田麻紀
着ぶくれの妻に呼ばれて星数ふ/杉本寛
俳句例:61句目~
体ごと振り向く男着膨れて/小泉八重子
着ぶくれて仏の貌の石拝む/岡本まち子
着ぶくれて否応なしの外階段/加藤正尚
着ぶくれて丹後の織娘礼深き/石原八束
着膨れたやうな俳句の道具立/高澤良一
着ぶくれて木の横又は木の間/児玉硝子
着ぶくれて鏡の中の月日かな/鈴木栄子
着ぶくれて遅刻教師の踊る足/福永耕二
着ぶくれて近隣の交密にせり/西條李ら
着ぶくれてさあ今晩のお献立/森岡洋子
着ぶくれて試験監督つつがなく/磯直道
山国の媼ひとりも着ぶくれず/茨木和生
着ぶくれて藪青々と通りすぐ/村山古郷
着ぶくれて薬用植物並べ売る/高橋恭子
着ぶくれて荘中学校鶴倶楽部/染谷秀雄
着ぶくれて膝にこぼして粉薬/桑嶋竹子
かじめ切る背へ着膨れ子どつと泣く/柏禎
着ぶくれて世界を敵に回しけり/沼田美山
たなご釣着膨れて畦踏みはづす/田島秩父
着ぶくれて五体の左ゆがみなる/手塚美佐
俳句例:81句目~
人待つごと人厭ふごと着膨れぬ/石田波郷
共同湯木戸開け着膨れ婆ぬっと/高澤良一
死に神は近づけまいぞ着膨れて/鉄山幸子
物拾ふとき着膨れてをりにけり/山田弘子
着膨れしことなき黒田杏子かな/山崎十生
着ぶくれて人に無視され人無視し/久米清
着ぶくれて人の墓にも詣でたる/細見綾子
鰺売の婆着ぶくれて値を引かず/椎橋清翠
着ぶくれて他力本願許されよ/大平よし恵
着膨れてゴミの袋ところがりぬ/三井卯女
着ぶくれて回転寿司の客となる/川島澄子
着ぶくれて女系家族の主たり/中野貴美子
着ぶくれて寄れば机の拒みもす/皆吉爽雨
着膨れて後部座席を占めにけり/高澤良一
着ぶくれて富麻の寺へ詣でけり/山本洋子
着ぶくれて己の殻を脱ぎきれず/保坂伸秋
着膨れて遅参の弁をこもごもと/高澤良一
着膨れて重荷となりぬ山河かな/小野藤花
着膨れて金貯めて欲つきざるや/相馬遷子
着膨れのもたもた脱いで診察室/高澤良一