菓子に関連した俳句の例をまとめました。
菓子を含む俳句例
菓子盆にけし人形や桃の花/其角
菓子を焼く匂祭の日となれる/旭
残雪光袋に透いて菓子の影/草田男
万灯や参道に買ふ昔菓子/長岡貝郎
昔菓子手に少年の日に戻る/谷口洋
山車囃甘甘棒は飛騨の菓子/上村占
お懐紙に勅題菓子の影淡く/檜紀代
菓子選む女の小腰夏暖簾/長澤寛一
菓子買ふや十日戎の風の中/桂信子
膨張をせり魂棚の菓子袋/茨木和生
綿菓子も紅もて装ふ夏祭/相馬遷子
膝の上京菓子となる若楓/中嶋秀子
爽やかや良寛の菓子無心状/下田稔
高坏に紅葉の菓子や薄紅葉/上野泰
棒に集る雲の綿菓子秋祭/西東三鬼
森五月木目菓子食べ残し/宮坂静生
ふるさとの買初の菓子毛利公/蓼汀
片戸開け菓子を商ふ盆の家/西山睦
桃の日の母に送りし昔菓子/黒田杏子
夜の蛙袋に菓子が量らるゝ/中島斌男
俳句例:21句目~
兄妹の仲よきときの氷菓子/山田弘子
八朔の薄氷といふ砂糖菓子/辻田克巳
菓子折の赤き紐もて菊括る/高澤良一
菓子箱に銭盛り上がる飾売/櫨木優子
菓子赤く茶の花白き忌日哉/正岡子規
如月や日本の菓子の美しき/永井龍男
子と買ふや三文菓子の祭飴/石川桂郎
新聞にざらと菓子あけ鎌祝/安部元気
蓬莱や京に古りける菓子箪笥/多賀子
水菓子に新涼の灯の隈もなき/上村占
金色に秋の祭の菓子を焼く/有馬朗人
旧正の餅菓子を切る赤き糸/明隅礼子
初晴やお菓子二つを父の墓/小高沙羅
鈴蘭の卓や大きな皿に菓子/高浜虚子
初桜老舗に飾る菓子木型/鈴木フミ子
雪国にいて白鳥は菓子の白/和知喜八
高熱のうつつに崩す氷菓子/飯田澄江
初釜の懐紙に咲ける菓子椿/細谷鳩舎
初雪やきのふは拾ふしゐの菓子/野坡
春宵や菓子鉢銀のいぶしいろ/及川貞
俳句例:41句目~
沈丁花お菓子の国の金平糖/高山洋子
淡雪の袋に透ける秤り菓子/伊藤通明
岳麓や正月菓子の色ぞ濃き/北野民夫
口中を五月の風に薄荷菓子/鈴木鷹夫
満月や耳ふたつある菓子袋/辻田克巳
売る菓子の乾く花見の裏通り/桂信子
引き菓子の落雁甘く地蔵盆/大野すみ
濱名湖畔春宵京の菓子頒けて/及川貞
七夕や武生に豆の捩り菓子/中川志帆
睦まじき折鶴添へて勅題菓子/檜紀代
本間様の百歳雛に片栗菓子/田中英子
秋彼岸寺に陣どる綿菓子屋/高萩弘道
啓蟄や開けたるままの袋菓子/宮下登
秋祭子らの綿菓子風に痩せ/藤陵紫泡
秋興の菓子圃栗助てふ店に/高澤良一
紅白の菓子高坏に業平忌/本谷久邇彦
綿菓子に雲も加わる春祭/伊丹三樹彦
京菓子の雅の甘さ初句会/五十嵐哲也
漁夫の手に綿菓子の棒秋祭/西東三鬼
綿菓子を作る人生花あしび/西尾採菊
俳句例:61句目~
仲秋や菓子と名付け白づくめ/上村占
菓子あらじ嵐に木々の春もなし/露言
修道女菓子焼く聖母生誕祭/杉田竹軒
売れ残る敬老の日の祝菓子/七田千代子
あの菓子の空箱を待つ十二月/鈴木鷹夫
綿菓子や雰囲気的に宇宙的/横須賀洋子
冬の日や父が手擦れの菓子木型/石嶌岳
生盆や京の菓子提げ子の来る/須原正子
氷菓子太郎と花子の顔になり/松山足羽
菊形の菓子賜はりし御宴かな/寺田寅彦
冬山や人猿に似て菓子を売る/前田普羅
家ごとに菓子配らるる地蔵盆/高市幸子
出帆の風浴び杏菓子かさかさ/伊丹公子
たけて紅の菓子あり弥生尽/水原秋櫻子
美しき菓子あることも花夕ベ/都筑智子
草の戸や菓子も烟草も夜の露/正岡子規
切り売りの大糯菓子に山眠る/有馬朗人
母の日や茶をいれ手焼菓子夫と/及川貞
初朧菓子買ふための寄り道よ/大野林火
淡雪や京のうつはに京の菓子/岡田文子
俳句例:81句目~
舌に溶く雛菓子人生半眼に/柴田白葉女
初荷着く奄美の島の砂糖菓子/池田/英
林中に菓子ひらく香や弥生尽/堀口星眠
永き日のお濠の端の水菓子屋/田中裕明
勅題の菓子に金箔はりつきし/大石悦子
氷菓子ほきほき噛みて北す旅/森川暁水
原色の水菓子あまた夏の風邪/奥村童舎
冷し菓子石花菜の香を口中す/石川桂郎
古町に古き菓子買ふ竹の秋/大峯あきら
ボートより菓子の袋を漂はす/横山白虹
嵩ありて春めくものに袋菓子/内田美紗
忌に集ふ座敷ほぐるる氷菓子/佐藤信子
リラの花菓子作りして修道女/山脇睦久
七宝の匙きらきらと氷菓子/永島理江子
君下戸か彌助か菓子か小便か/正岡子規
煖房の寺出て町へ菓子買ひに/中嶋秀子
京の菓子あけぼの色に松の内/渡辺桂子
綿菓子のかたちをさなき春祭/長谷川双
啄木鳥や貧しき村の砂糖菓子/有馬朗人
綿菓子を買ふ巫女ふたり里祭/山田弘子