路地に関連した俳句の例をまとめました。
路地を含む俳句例
露の路地四通八達仏たち/飴山實
蕪村忌や夕路地炭を頒つらし/兌
人波の名残を路地へ夕ざくら/林翔
蜑の路地上り下りや仏舞/山本俊一
障子洩る灯に簾うく路地浅し/木歩
仏手柑海の暾が路地にくる/関成美
浜町の路地の昔や蚊喰鳥/草間時彦
夏祭白浪路地の先に見え/大熊輝一
路地溜り太鼓ひとつの盆踊/柚口満
下町の風棲む路地の花茗荷/市東晶
佃島路地に育ちし青蜜柑/池田啓三
梨売に炭鉱の路地雨溜る/皆川盤水
餅搗に驚きやすき路地雀/菖蒲あや
路地奥の海つと展け福詣/中村幸代
佃路地せまきが親し祭笛/袴田君子
古筵もて路地奥の雪運ぶ/石川文子
鶏提げて日永の路地の立話/行方克己
国友は路地に尽きたり金葎/瀬川公馨
神輿待つ役提灯を路地口に/野島蘆舟
鳥越の路地の奥まで祭かな/水原春郎
俳句例:21句目～
鳥総松歩けば島の路地固し/藤田湘子
地蔵盆海鳴路地の空にせり/茨木和生
極月の路地深く来る箒売り/菖蒲あや
うるめ干す路地の続きの市/吉村靖子
路地に石置けば結界月祀る/稲田和子
妙齢の占ひ師ゐて路地夜寒/山口霞牛
路地奥に忘れ風鈴子規庵址/奈良文夫
馬通る中路地もてり雛の宿/田村了咲
新しく溝板かへて路地師走/菖蒲あや
七つ星逆立つ路地や松納/佐野青陽人
路地多し到るところに鰈干す/森田峠
色町の路地で習ひし阿波踊/京極高忠
橄欖の実棚で緑光港の路地/伊丹公子
路地多き三国の町や寒念仏/清准一郎
路地売りに人民元で買ふ石榴/池田薫
細路地の四通八達ゑびす講/高澤良一
盆舟や爆竹弾く海女の路地/安原敬裕
島の路地松の内なる月にほふ/太田嗟
人貧し路地の夕三日月金に/下村槐太
春昼や蜆こぼるる京の路地/斎藤朗笛
俳句例:41句目～
島人に路地神灯る暮春かな/橋本鶏二
細き路地大きく使ひ総流し/高澤良一
打水のゆき届きたる祭路地/菖蒲あや
佃路地割つて月の出本祭/平井さち子
佃路地師走発たすと風日和/古沢太穂
雉鳩は路地に動かぬ初猟日/品川桂風
抜け路地の奥に海鳴る雁渡し/佐藤愛
俎板の音爽やかに路地親し/畠中洋子
先斗町路地に胡葱届けたり/斉藤敬子
路地出るや白き炎の花辛夷/猪尾翔子
出勤や路地をふさげる菊車/木村蕪城
路地の露滂沱たる日も仕事なし/槐太
金売別の声あげ路地曲る/百瀬ひろし
切岸を曲れば路地や鳳杣花/茨木和生
綿虫や抜け口遠き京の路地/茂里正治
秋空に斑鳩の路地すぐ終る/有馬朗人
枯野星路地へ戻れば大粒に/香西照雄
道問へば路地に裸子充満す/加藤楸邨
祭足袋濯ぐ佃の三尺路地/平井さち子
車蔵ふ奥の細道のこる路地/駒木逸歩
俳句例:61句目～
身の幅の龍飛裏路地松飾る/福永耕二
路地の雪まだのこる松納めけり/松薫
路地路地のひかり玉なす返り花/原裕
路地の春貧乏士族の家今も/河野静雲
ある日路地誰も通らず冬俄か/菖蒲あや
鳳仙花路地を迷ひて同じ場所/稲畑汀子
鰈干すかつては華の廓路地/すずき波浪
鯵干すや奈呉の浦風とどく路地/南恵子
鮟鱇鍋路地に年月重ねたり/鈴木真砂女
くさい路地の日だまり母縮む/坪内稔典
海見えて小樽坂なす焚火路地/桂樟蹊子
菊坂の路地の奥より七五三/塩谷はつ枝
風鈴やひとりに適ふ路地暮し/菖蒲あや
風鈴に風のすぐ来る路地暮し/菖蒲あや
青木の実錺職人路地に住み/栗山よし子
霜解けの土半面を日ある路地/高濱年尾
春の雲明治の路地を探り当て/幸田和子
震災忌路地を鼠の走りけり/鈴木真砂女
臼飾る路地を距てて蔵二つ/つじ加代子
雷鳴やダンテの家は路地の奥/有馬朗人
俳句例:81句目～
雛流し船笛路地へ引きにけり/中村石秋
春暁の路地覚しゆく若布売/古賀まり子
自転車を路地に洗へば鳥帰る/依光陽子
春燈の鈴ふるふごと点る路地/成田千空
湯町なり路地片かげり雲流れ/京極杞陽
春菜売路地に小銭の音こぼす/渡部良子
どの路地もくさやの匂ひ月朧/田中俊尾
どの路地も子細に飛んで初燕/根岸五郎
どの路地も海の風吹く祭笛/古賀まり子
緑雨かな偲ぶに適ふ路地の幅/能村研三
金売くるわの跡の路地あるき/石川春暁
ひと貧し路地の夕三日月金に/下村槐太
海風の路地低く飛び夏つばめ/青木路春
月待の路地に来て買ふ新布海苔/飴山實
路地透けて光る海あり開きけり/堀政尋
路地深き煮ものの匂ひ震災忌/平川雅也
路地歩く癖はなほらず十二月/谷口桂子
路地曲がりくる初蝶の美貌かな/須藤徹
路地小春包丁研ぎの声がして/寺原伸子
朝日まだ路地にとどかず寒雀/南方惇子
