痛むに関連した俳句の例をまとめました。
痛むを含む俳句例
杉千里痛めし指に霧の粒/原裕
家も吾も節ぶし痛む春嵐/林翔
夏風に切疵痛む青畳/飯田蛇笏
時鳥毎晩鳴て足痛し/正岡子規
痛み止む一刻雷の遠走る/杉本寛
肩痛き浴衣の糊や花薄荷/森澄雄
父の髭痛し栄螺の角痛し/小澤實
秋蝶や硫気痛みの神の階/岡本眸
筍に虫歯痛みて暮の春/正岡子規
春や昔杉鉄砲の痛きこと/川名大
水に沈みて痛恨の落椿/辻田克巳
筍を掘りたる跡も痛ましや/瓜人
梅干、痛めば長い長い旅/山頭火
紫陽花の腎の形の腎痛む/齋藤玄
河暴れ月痛々と地のに/片山桃史
創痛や朝より蝉の力づき/有働亨
こがらしや頬腫痛む人の顔/芭蕉
埋火に根ぶとの痛む夜明かな/村
料峭の鼻面痛し尿近し/小出秋光
菊枯れて胴骨痛む主人哉/正岡子規
俳句例:21句目～
凍傷の痛痒織機フル運転/津田清子
眦が痛し紅葉の湖照りに/皆川白陀
あとがけの痛き女や菌狩/日野草城
年男飲めば痛快男子かな/相島虚吼
復活祭手摺痛んだ階上る/難波筍子
赤蜻蛉頭の痛き午後の空/石塚友二
皹の痛むや星のあらぬ夜/渡辺民子
海に船見えず炎天身に痛し/杉本寛
洗面の水の痛さの遠雪嶺/石川桂郎
初発心痩せ皹がまた痛む/西田孤影
創痛や春の山鳩応へつゝ/石田波郷
創痛や窓外に鳴る旗一流/楠本憲吉
狐火なり痛烈に糞が臭う/金子兜太
痛快に芭蕉裂けたる野分かな/草城
痛み出す腹を夏解の夕哉/会津八一
蠅打つて掌熱きまで痛む/斎藤空華
どこの蚊が最も痛き墓詣/高浜虚子
虫聴くや素足に痛き蒲筵/小泉迂外
水洟と泪に喉の痛むかな/石川桂郎
喉痛むとも暗誦や受難節/中村一志
俳句例:41句目～
痛くなるまで働いて春霞/森田智子
胸痛く愛慕佇む虫の露次/石塚友二
大枝垂桜へ痛き足はこぶ/菅原鬨也
胎動は時に痛しよお元日/辻美奈子
淡雪は受胎の痛み砂乾く/対馬康子
鴉横に居て肩痛し秋の暮/永田耕衣
崖肌に痛みのごとく蛇苺/吉永幸司
海棠のうつぶくや歯の痛む時/越人
劇痛は打水の穂を思ふなり/齋藤玄
朝寒や太鼓に痛き五十棒/夏目漱石
軽石をあてゝ痛しや胼踵/粟津福子
秋湿り別れの握手痛すぎる/山崎幸子
秋朝や痛がりとかす縺れ髪/杉田久女
樅焼けば痛みともなふ眉間かな/林桂
かの山を想ふに痛き齢かな/福田葉子
手綱持つ指先痛し寒の朝/角/ともい
痛み症に母雨といふ帰る雁/富田木歩
こがらしや頬腫痛む人の顔/松尾芭蕉
氷挽く痛みよ全身遺伝して/攝津幸彦
痛さうに空晴れてをり冬ざくら/黛執
俳句例:61句目～
痛さうな棘つつたてて富士薊/辻桃子
気管支を痛める恋や竹の秋/寺井谷子
麦秋のまなうら痛し水を飲む/金子潮
鶺鴒や痛き白さの生丸太/百合山羽公
鶏掻いて痛めし土や鳳仙花/西山泊雲
靴に入る小石の痛さ桃満開/鈴木鷹夫
霧笛の夜膀胱痛し狂ひたし/小林康治
初雲雀草薙の野の風痛し/原田しずえ
杉山の荒れを痛めり石鼎忌/茨木和生
向きあうて寒し痛しと張扇/高橋睦郎
独楽抱いて帰る白壁が痛い/村上雅子
潮騒のここまで痛く貝割菜/角川照子
枯蘆の青麦のわが胃は痛み/林原耒井
咳けば脾腹が痛し何の風邪/石塚友二
凌霄花満身の朱の痛みかな/安斎郁子
温室の花色失ひて来る痛み/朝倉和江
追随が痛みとなりし桃の花/栗林千津
逝く人に雪晴の光痛からむ/相馬遷子
若鮎の光る水さへ胸痛む/百合山羽公
花柊痛み無きとき我も無し/正木浩一
俳句例:81句目～
遠伊吹風が痛しと蜆選る/栗田せつ子
闇に鳥を放つ痛みや投函す/佐藤清美
花おぼろ凭れて痛い松の幹/池田澄子
船腹の白痛からむ秋は走り/和田悟朗
身痛くも襷しめたり鵙の朝/森川暁水
夢苦しわれ夏痩の骨を痛み/正岡子規
胸痛きまで鉄棒に凭り鰯雲/寺山修司
貴様と俺足痛腰痛夏つばめ/川崎展宏
凍る日の陳痛の皺鶏卵に/小檜山繁子
龍の髭から龍の玉痛こぼれ/永田耕衣
三寒の鎖骨に痛し形見分け/長岡直美
耳へ来し奥歯の痛み青嵐/大野雑草子
仏正月耳痛きまで風の出て/西川保子
今日は又足が痛みぬ五月雨/正岡子規
紅葉かつ散る掌に痛み欲し/二村典子
雨蛙鳴く日よ痛む膝の芯/水原秋櫻子
朝つばめ皆岩つばめ創痛む/相馬遷子
雪夜眠る痛む喉など痛ましめ/所山花
空蝉や残ると思う背の痛み/外山恒吉
気管支を痛める恋や麦の秋/寺井谷子
