銀河/銀漢に関連した俳句の例をまとめました。
銀河/銀漢を含む俳句例
銀漢や兄弟多き曲馬団/日原傳
銀漢や齢の中に戦の日/岡本眸
銀漢や野山の氷相さやり/窓秋
銀漢や二十年前一兵士/相馬遷子
月入て闇にもなさず銀河/炭太祇
心太さかしまに銀河三千尺/蕪村
冬銀河出自は平氏後不詳/妹尾健
花火果て銀河に戻る墨田川/春樹
菊河に公家衆泊めけり銀河/蕪村
初秋や蚊屋に透き来る銀河/嘯山
甲板に寝て銀漢を胸の上/奈良文夫
銀漢や応召の日の覚悟成る/瀧春一
大銀河生死は星の一瑣末/吉本和子
銀漢の銀の荒粒持ち帰る/伊藤敬子
寝袋に体温満ちぬ冬銀河/小川軽舟
狼が空に来てゐる冬銀河/石原八束
太古より銀河を支ふ円柱/品川鈴子
山中に銀河を語る大銀河/中島斌雄
柊は銀河の砂の花こぼす/大木石子
中空に銀河放てり奥穂高/渡辺立男
俳句例:21句目~
永遠と宇宙を信じ冬銀河/高屋窓秋
梁のどこか爆ぜゐし冬銀河/島青櫻
梅干すや銀河も薄埃がちか/志摩聰
銀漢や僧衣の裾の闇暑し/小林康治
銀漢や安房の湊に土佐の舟/大串章
銀漢に外寝の腕高く伸べ/福井圭児
妻炊ぐ頭上に銀河島暮し/村松紅花
仏法僧高速道は地の銀河/大木石子
檜苗銀河を父として育つ/橋本鶏二
湖心にて銀河に近む櫂の音/大串章
高原の銀河は低し夜の散歩/塙告冬
銀河天に高張立てし水の番/泉鏡花
朗朗と銀河を笑う漢かな/江里昭彦
頂上は銀河に近し母に近し/西尾苑
銀漢や原子力発電所無音/奥坂まや
誕生日昏き銀河へ機銃音/中島斌男
夏銀河火山裾より闇育つ/野澤節子
冬銀河軋む扉を開け放つ/前田秀子
冬銀河魂炎反応始まりぬ/久冨風子
電力地帯煌々の灯に銀河懸く/林翔
俳句例:41句目~
銀漢や少し坂なす社宅街/遠藤梧逸
燈台の遠き燈加へ冬銀河/坂本文子
銀漢の尾を垂れにけり島泊り/敏郎
芋の葉の露や銀河のこぼれ水/自笑
水芭蕉昼の銀河はみづいろに/林桂
銀河濃し水の宅急便届く/浦川聡子
冬銀河激せば黙すわが性よ/妹尾健
銀漢の果てまで送りゆき戻る/長田等
銀漢の奥のさみしき人通り/鳴戸奈菜
山小屋の荒粒銀河閉めて寝る/堀内薫
山暗く銀河湖心に墜んとす/福田蓼汀
岬の夜渡る銀河と煙草の火/対馬康子
銀河濃し行先残る切符捨つ/津田清子
岳阻み銀河逆流せんばかり/福田蓼汀
犀は角見ながら育つ冬銀河/大石雄鬼
不知火を待つ銀漢の鮮かに/渡辺安山
機関音恋めき遡る冬銀河/平井さち子
銀河濃し枕に頬を埋め寝る/星野立子
牛肉の赤いまだらの銀河糸/対馬康子
銀河濃し故郷の海匂ひ来る/角南旦山
俳句例:61句目~
銀河濃し幼き声の野に透る/老川敏彦
庭浅くあふるる井戸や銀河/会津八一
銀河立つ佃に晦き舟だまり/古舘曹人
今も待つ銀河へ船出せし人を/上村占
此頃の銀河や落てそばの花/松岡青蘿
銀河濃き草中の路は会ひぬ/原田種茅
銀漢や死すれば踰ゆるいろは坂/春樹
僧と見し比叡の銀河凄じき/伊藤柏翠
再びは生れ来ぬ世か冬銀河/細見綾子
窓に銀河妻ならぬ人おもひ寐る/占魚
海越えて来る曲馬団銀河濃し/森田峠
冬銀河かぶり平和へ道一本/城取信平
冬銀河けぶる左右に女弟子/中島斌雄
銀河澄む墨東の夜の娼婦街/西島麦南
銀河曼陀羅かけ荘厳す聖岳/福田蓼汀
満載の橇に銀漢尾を垂れつ/栗生純夫
冬銀河ほろと男根垂らしたり/糸大八
人間は生きよと銀河流れをり/上野泰
眠りゆく冬の銀河の片側に/野澤節子
甲板の足もと暗く銀河濃し/柴田道人
俳句例:81句目~
夜光虫燃え天上に銀河濃く/木村蕪城
夜歩きの名残銀漢烟りけり/中島月笠
冬銀河垂れて狼ほろびの地/橋本榮治
風が鳴る銀河へ船の鐵梯子/中島斌男
冬銀河姥子はひとり来べき宿/及川貞
銀漢や放馬にまじる牛一つ/橋本鶏二
冬銀河山影かむる陶の町/柴田白葉女
銀河低し再び卯ぎ見し時も/細見綾子
冬銀河息吹きかけて眼鏡拭く/平野博
火の山の上に消えをり冬銀河/上村占
面上の星はいのち火冬銀河/井沢正江
銀座銀河銀河銀座東京廃墟/三橋敏雄
金属のスクスク育つ冬銀河/三浦北曲
冬銀河歳月をもて測る距離/辻美奈子
大銀河量感ひたと頬に濃し/大野紫陽
冬銀河畑菜の青を感じつつ/佐野良太
旅人に濃し港外の銀河の尾/羽部洞然
明々と身のうち通る冬銀河/北詰雁人
大阪に探す銀河も別離以後/後藤綾子
複道や銀河に近き灯の通ひ/子規句集